結月でございます。
2週間ほど前に思いついたコンサートの企画があって、いやそれは正確にはもう何年も前からあったもので、それはYouTubeでやったらおもしろいなっていうもの。でも、それをYouTubeでなく、コンサートホールでやったほうがいいかなと思い直した。
YouTubeでやってもおもしろいし、それはアーカイブとなってずっと再生され続けるサーバー的な魅力がある。そう思ってはいたものの、リアルなコンサートのほうがいいかなと思い直したのはコロナでコンサートが不自由な状況にあって、その鬱憤があるからだろうね。
その企画の内容はまだ話せない。話すとパクる奴が出てきそうだし、そもそも実現できるかわからない。
いやいや、実現そのものはできる。できるけれど、今考えている最高の条件が揃うかはわからない。やってみると妥協しなければならないこともあるし、じゃあ、妥協してまでやったほうがいいか、金銭的なリスクもあるし、それを負ってまで妥協でやる?なんて葛藤もある。
ともかく、やろうと思えばやれる。ホールを借りて、演奏者にオファーを出せばいい。
ホールは室内楽ホールで、300〜400席が妥当なところ。それより大きいと、ちょっと音が散漫になるかな。できれば100席未満のところでじっくりと、アングラ的に、でも内容はすげえっていう濃密な感じにしたいとはいえ、それだと演奏者のギャラを考えると採算が合わない。
バイオリンが好きな人にとってはたまんない内容になると思うし、曲目もメジャーであるけど、リアルではそこまで聴く機会はないよねってもの。
あとは集客が一番の問題で、室内楽ホールだって満席にするのは容易じゃない。キャバが小さいと、その分チケット収益も比例して小さくなる。となると、広告宣伝費をあまりかけることができない。
広告費って、オーケストラであろうが室内楽であろうが、内容は関係なくプライスは変わらない。
しかし、コンサートホールでのチラシ配布も実はほとんど効果はなく、まあ1000枚配って数枚チケットが売れればいいくらいじゃないかな、フィーリングとして。
だからまあ、コンサートなんか企画するより、チラシ配布の仕事を請け負ったほうが儲かるよ。
コンサート情報誌も微妙で、広告費がものすごく高い割に効果はイマイチ。こんなに払ってたったこれだけの効果かよって思うよ。
というわけで、室内楽ホールでやるコンサートは採算を考えると一発大勝負ができない。
なんていう事情があって、
「集客って、ほんと、いい方法ないよね〜」
と、諦めと絶望がブレンドされて、メンドクサクなる。
ホールのキャパの半分は確実に売れる地盤を作って、あとの半分は宣伝して頑張って集めるみたいな具合で、その半分の地盤だって簡単でない。
そもそも日本はコンサートの数が多すぎるし、小粒なビミョーな内容のコンサートも多くて、言ってみればコンサートがデフレ状態にあるからね。だからもうサプライズな感動ってないよ。
「ああ、やるんだ〜」
くらいでスルーされる。
だから、クラシックファンはあまり当てにできなくて、新規を開拓したほうが早いってことになりそう。
ところがコンサート内容がマニア受けっていう難題。
となると、音楽だけの力だと集客は無理で、そのほかの魅力やお得感のある演出が必要になってくる。
とまあ、ぼちぼち、ぼちぼち、ぼちぼち。
コロナがまだスッキリしきれてない事情もあるし、内容的には焦るものでもない。だって、その曲自体が200年以上前に作曲されたものなんだから。
コンサートはやるのは簡単。満席にするのが難しい。
「ただやりました」ってだけのはつまんないしね。
自己満っていうのは一番情けないよ。