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G線のバイオリニスト神尾真由子

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結月でございます。

今日は日曜日。

何気につけたのがEテレで、N響アワーでなく今はなんという番組名だったかわからないけれど、N響をやり始めるところだったので、4歳の愛娘とソファに並んで観る。

バーバーのバイオリン協奏曲でソリストは神尾真由子。

神尾真由子の演奏はあまり聴いたことがなかった。名前は知れていても、観る機会がなかったという具合。

演奏を聴いていると、

「G線のバイオリニストだな」

と思った。

G線の鳴らし方がすごくいい。そのせいか全体的にどっしりとしていて、車で言えばロールスロイスかマイバッハという感じ。

G線が魅力的なせいか、E線を鳴らしていても高音域に聞こえない不思議がある。音程的にはもちろん高音域を弾いているのに、音質がG線っぽいというか。

バイオリニストの音色は演奏者の声質に大きな影響があるように思う。神尾真由子の声を聞いて、確かに「まんま」だなと思った。

語弊がある言い方をすると、バイオリニストで自分の声が甲高くて、軽いと一流になれない気がする。

バイオリニストは男も女も声は低いほうがいい。そのほうが器楽演奏にいいようだ。

神尾真由子はとにかく「上手いな」と感じさせる演奏で、ホント、ドライバーズカーではなく、ショーファードリブン。

破綻を感じさせるようなハラハラ感がなく、力はたっぷりで安心していられる。情が豊かであって、色気も濃厚であるのに浮気される心配がない。

それをどう思うかは好みの問題であり、わたしみたいな破廉恥な人間は、庄司紗矢香ちゃんみたいな変態っぽいのが好きなのだけれど。

さて、そんなN響を4歳児と観ながら、本人もバイオリンを習っているから興味があるようで4歳児なりに「あーだ、こーだ」言っていた。

しかし、コロナのせいで観客席が見事にスカスカで、ちょっと痛々しい。おまけに観客のほとんどが高齢者で、パッと見て平均は70歳じゃないかと思えた。

音楽とは観客がいて成立するものだと思うわたしは極度のスカスカを見て、音楽が成立していない哀しさを感じてしまった。

音楽は何に向かって演奏するのか、そこは大事なことで、客がいないホール、売れないCD、そういうものはあまり存在理由がない。

神尾真由子ほどの奏者があれだけの演奏をしてあの客数だと、採算的にも完全に赤字。NHKだからいいというわけではあるまい。

それに演奏者も観客も話題のウレタンマスクをするくらいなら、しなきゃいいじゃないかとも思う。

つまり、効果がないものをわざわざすることに本質的な意味はないからで、クラシック音楽では演奏者も観客も飛沫なんか飛ばさないのだからウレタンに何の意味はないどころか、演奏しにくいだけじゃないか。

コロナを騒ぐのはいけれど、本質的なところで判断して行動するべきで、ただのポーズとか、無知ゆえの無駄とか、そんなところで効果のない行為をやって対策をやったつもりでいる空気がどうもおかしい。

しっかりとやるべきこととやらなくていいその線引きは明確なほうがいい。

と、芸術至上主義なわたしはあんなスカスカだったら最初っからコンサートなんてやれねーわ、なんて沢田研二みたいなことを考える。

とはいえ、現状はそうはいかず、オーケストラにとっては厳しく、憂鬱な日々はまだ続きそう。開催しないわけにもいかず、開催しても赤字。

密かにやってときめくものもあれば、密かな気持ちではいいものができないものがある。

音楽は紛れもなく後者であり、コロナの空気に後ろめたい密かな気持ちの中では音楽は育たないのである。

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