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女性蔑視を批判すること自体が哲学的にはもう古い

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結月でございます。

昨日読み終わった本は、『現代思想の教科書』(石田英敬著)。

これはとても内容が良くて、ナイスな本だった。哲学だから内容が簡単なわけではないにせよ、比較的わかりやすく進められていて、思想家それぞれの要点をバッチリと押さえられていて理解も深まった。 

 というわけで、哲学本だけど、一応オススメ。

哲学というのは「わかった」と思って終わりではなく、「わかった」と思えばさらにわからないことが溢れ出る学問で、それは宇宙物理学をはじめ、理科系でも同じで、これで解明できたと思ったら、

「あれ?」

という問いかけが噴出してきて、さらにわからなくなる。

この「わからなくなる」が快感であって、学問をやる人間はそういうところが変態なのである。

しかし、余計にわからなくなった状態は実は進歩していて、決してアホになったわけではない。より理解が深まっていながら、高度な次元はさらに前に進むのが難解であるから、時代の変化のスピードに追いつくのが大変で、だからこれは無限に続くのである。

と、この本を読む前はエマニュエル・レヴィナスを読んだけれど、いまいちまだよくわかっていなくて、このまま放置するのは自分自身に腹が立つから、次はこれを読もうかと思っている。 

 と、一方で、ジャン・ボードリヤールの『消費社会と神話の構造』が早く読みたくて、こちらからにしようか迷っている。 

消費社会の神話と構造 新装版

消費社会の神話と構造 新装版

 

 今年に入ってから久しぶりに哲学書を猛烈なスピードで読んでいるのだけれど、まだまだお腹いっぱいにならない。むしろ読めば読むほどわからないことが増えるし、頭の中はスカスカな気がする。

コロナによる時代の急速な変化を体感する貴重な時期もあって、哲学がおもしろくてたまんないわけで、同時に自分なりの考えを朧げなりともまだ話せやしない。

そんな複雑極まり、そして過去の事例のほとんどが役に立たないこれからの時代になんだか興奮しつつ、ポスト構造主義からどんな時代に進むだろうかと予測を楽しむ。

日本にいるせいか、目にする現象がことごとく古臭く感じてしまって、逆に自分が時代の最先端を見られるかも?と小さな自惚れが同居する。

さてさて、そんな哲学をコロナ禍で楽しみつつ、森元首相の女性蔑視発言にヒステリックになっている世相なんか見ると、森さんも古いけど、女性蔑視なんて言って批判するもの古いぜ、と最新式のわたしは陰ながらに思っている。

女性蔑視だという批判そのものが、すでに男女の二項対立が設定されていて、どっちもどっちなんだって。問題はそこじゃない。

それに日本の現実は女性蔑視だと声を上げる人は多くなっても、日本女性そのものはまだまだ遅れているし、女性そのものが最新式になれていないんだよ。そこは日本女性そのものの力のなさと古臭さと努力のなさはあると思う。

まあ、フェミニズム自体も思想として古いしね。

と、日本女性の古臭さと駄目さも構造主義的に分析はできるよ。

それに80過ぎた爺さんの発言に食ってかかること自体、くだらないことだから。あの年齢の年寄りに求めてもしょーがないという原則。その土俵に乗ることが程度が低いのだから。

でも森元首相はほとんどの人が知ることができないところで大仕事をやっているのは間違いなく、癌を患ってまであそこまでやる執念はすごいよ。

オリンピックの是非は別として、あの貫禄って並々ならぬものだから、女性蔑視の発言がどうとかヒステリックになるほうが軽く見える。だからあと数日で話題にもならなくなるんじゃないかな。

まあ、自分の命は長くないと自覚している人間の強さだね。

でも、世の中には自分の命はまだまだ長そうなのに、ちょっと病気して悲観しながらセンチメンタルに酔いしれる人っているよね。そういう人はなかなか死なない。

ともかく、女性蔑視を批判するのがちょっとイケてる感じのトレンドっていうのがすでに古いんだよ。

そもそもそんな時代じゃないはずなんだよね。

それ以前に批判の内容が薄っぺらくて嫌になっちゃう。もっと「なるほど…」と唸らせるような批判はないものかな。そういう見方があったんだって腹の底から納得するような批判。

どこかで聞いたような、ステレオタイプな、ありきたりな、そういう批判って批判というより悪口に近い。

だから発言するほうも批判するほうもどっちもどっち。

問題はそこじゃないはずだから。

女を馬鹿にするなという考えは同時に男を馬鹿にする考えを内包しているし、女を擁護する立場は同時に男を批判する立場を内包していて、対立軸でしか男や女を設定できないところでそれは二項対立であって、どちらかにつくという立場は批判であっても擁護であっても、それがあるなら永遠にそこは一致しないわけだよ。

ほんと、男か女とか、そういうことはどーでもいいことなので。

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