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アタシの腸は美しかった!

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結月でございます。

昨日は恐怖の大腸内視鏡検査。

人間ドックで便潜血でわずかに数値が高く陽性だったため、検査を申し込み。

積年の多量飲酒で絶対に何か問題あり!と確信していたわたし。ポリープ なんて5個くらいあるんじゃないかという推測。

検査当日、4歳になったばかりの愛娘を保育園へ送り、そのまま病院へピットイン。

「こちらです」

と言われたのは処置室の前にある部屋で、そこにはベッド、テーブル、そしてトイレがある。テーブルには噂に聞いた2リットルの下剤がマグカップと共に置かれていた。

これを2時間かけて飲むのであります。いくらドリンカーだったわたしもビールだって2リットルは飲めない。

飲んでいるとお腹が痛くなってきて、トイレで全部出しちゃってくださいという指示のもと、完全プライベートルームで一人にされる。なるほど、これは検査は一日に一人だな。

ドキドキしながら下剤を飲んでみると、

「う〜ん、おいしくない…」

わたしは今は美食の探究はしてないとはいえ、不味いものは好きじゃない。料理だといい加減に作ったもの、雑な心で作ったものは口にしたくない。自分の体に取り込むものは作った人の心が健全でなければならん。

だからジャンクフードでもそれが企業が一生懸命開発したものだといい。でもやっつけ感覚で作ったような料理は食べない。

と、これは下剤であってドリンクではないのだからハートがなくて仕方がない。体に取り込むといっても、中身をトイレに放出させるためのものだからこれには愛情がないのである。

と、下剤の袋に記された目盛りを見ながら、飲むペースを作っていく。これは一気に飲んではならず、じわじわと飲まないと効かないらしい。

ともかく2時間退屈であるから、スマホで東浩紀さんの哲学書を読んだり、『涼宮ハルヒの憂鬱』の続きを読んだりする。

そして、こうもあろうと思い持参していたゲームウォッチのスーパーマリオをやりまくる。

1リットルを飲み干したくらいで催してくる。

とはいえ、のべつ軟便で、回数が多いわたしはそういうことには慣れていて、下剤の苦しみはほとんどなかった。もし慢性的な便秘で、お腹の中に相当量が溜まっている人は大変かもしれない。

と、トイレに薬入りマグカップを持ち込み、スマホで『涼宮ハルヒの憂鬱』を読み切った。ライトノベルだから短いと思っていたら、結構な長編。

物語に深さはないけれど、その描き方が斬新で、なるほど純文学が読まれない理由がわかった。若い読者はこういうポストモダン的な小説に感覚が移行している。

純文学的な自然主義っぽい頭で読むと、『涼宮ハルヒの憂鬱』は安っぽいファンタジーかSF学園ものにしか感じられないだろう。すなわち、純文学は古くなっている。

そして大ヒットした映画『君の名は。』がなぜすばらしいのかもより一層理解できた。わたしはあの映画を劇場で見て猛烈に感動してしまい、自分の中映画ランキングで10位以内の作品。

純文学的にあの映画を見ると、退屈な映画に見える。近代的な目で見てしまうとあの映画の良さはほぼ理解できない。

と、2時間退屈しながらも本はぎっしりと読んで、気分転換にマリオもやって終了。

今度は検査室に案内される。

お尻部分に大きな穴があいた検査用の服に着替え、台の上に寝かせれる。もうこうなったら早くやってほしいと諦めの気分。

「お待たせしました〜」

と出てきた医者の姿を見て、一瞬でこの医者なら安心だと感じた。

雰囲気がいいというか、相性がいいというか、いい医者だと一瞥で察する。

お尻にズボッと指を入れられ、「うっ!」っと潤滑剤が入る。

横向きに寝て、ずるずるとカメラが体内に入る。医者の様子は反対側なので見えない。

腸の中に空気だか二酸化炭素だかを入れたりするため、時折お腹が張る。ちょっと痛いと感じる時もある。しかし、思っていたほどではない。口から入れた胃カメラのほうが呼吸がしづらく苦しかった気もする。

機械の音が聞こえながら、途中で仰向けにさせられ脚を組むように言われる。

もうここまで来ると、慣れもあってかそれほど苦しくない。

と、医者は話を始める。

「きれいですね〜 悪いところはないです」

ハッ!マジ!?

アタシの予想ではポリープ5個なんだけど…

「ポリープもないですか?」

「ないです。小腸の入り口もきれいだし、炎症もないです」

ホッとする。ポリープ を覚悟していただけに。

ズルルっとカメラが抜き取られる。およそ10分くらいだっただろうか。もしかするとそれより短かったかもしれない。

服を着替えた後、先生のデスクへ行って腸内の写真を見せられながら説明を聞く。

どうやら小さい痔核があるらしい。そこから少し出血して陽性だったのだろうとのこと。

「内視鏡検査って年に一度くらいやったほうがいいッスか?」

と、わたし。

「ご希望だったらやってあげますよ〜」

と、笑う医者。

顔のホクロだって1年やそこらで大きくはならないんだから、ポリープはそんなすぐに大きくはならないし、今ポリープはないわけだし。まあ、便潜血検査で数値が以上に高いとかならやったほうがいいでしょうけど、とのこと。

「では、数値が小さいと痔核ってことですか?」

「そうです」

なるほど、大腸癌はポリープが癌化するわけだが、ポリープそのものだって急速には出来上がらないらしい。

でも、慢性的な軟便は?という問いかけには、

「腸内環境を良くすることです。いい菌を増やすことです」

「つまり、ビオフェルミンとかヤクルトとか?」

「まあ、そういうことです。あとは野菜を摂取するとか。さつまいもはいいらしいです」

と、ビオフェルミンを買うことを決断する。

この医者は直感通りすごくいい医者で、大腸カメラのテクニシャン。

「アメリカはあまり上手でないらしいから、この検査は全身麻酔で入院ですよ」

とのこと。

確かにこういう操作は日本人は向いている気はする。

そして、医者の説明はとてもわかりやすく丁寧で、こちらが思っていることを訊かずとも説明してくれた。いい医者とはこういうものなのである。

得ていて、医者は勉強ばかりしすぎてコミュニケーションが苦手なのが多いし、自分の頭でわかっているからオッケーと患者に説明をほとんどしないというのも多い。問題なくともそこは患者が不安になるわけである。しかし、ちゃんと話してくれる医者は安心できる。そして訊いてないことも説明してくれ、知識も増やしてくれる。

「お酒は下痢に関係ありません」

という。

つまり、お酒で下痢をするのは腎臓が原因なのだという。いや、ここはわたしの記憶が曖昧で膵臓だったか、ちょっと怪しいのだけれど、腸でないどこかの器官のダメージの影響で下痢をするのだという。

積年のドリンカーライフが終わり、ほぼノンアル生活でも軟便であったから大腸に何かあると思っていたら、それはビオフェルミンで解決するらしい。

さて、お会計のため待合室へ。そして呼ばれると、

「5160円です」

と言うじゃないか?

にわかに聞き取れず、

「えっと、いくらでしたっけ?」

と、わたし。

「5160円です」

と、事務。

マジ!安すぎじゃない? だって朝から個室を使って、専門の医者が大腸にカメラを入れて、検査してもらって、腸内の写真まで撮ってもらって、説明までしてもらってその値段!?

なんてすばらしい国なんだ、ニッポン! これがアメリカだったら全身麻酔で入院、かつ保険はないとなったら100万はかかる!?

3割負担でその値段ということは、全額払っても17000円ほど。

あまりの激安ぶりに感動して金を払う。財布には役目がなかった万札が残る。

お腹の中に空気やらを入れられたからズキズキしながらクルマに乗って猫のもとに帰る。そういえば、昨晩におにぎりを作って食べて以来、何も食べていない。

絶食ならいくらでもできる能力があるわたしはこのまま絶食モード突入でもいいかと思いつつ、今は小さな愛娘がいるから絶食というわけにはいかない。

何を食べたいかと脳内イメージすると、

「カツ丼」

というフィーリングが一番フィットした。

お腹が張って正直、料理をする気にならない。朝から下剤を飲んで疲れている。

先週、かつ庵というフランチャイズのカツ丼屋に循環器内科帰りに立ち寄って、そのロースカツ丼のあまりのうまさに感動した。これで490円ってマジ!?

このカツ丼って昔なら料亭レベルだよ、と思う。企業努力ってすごい。日本は医療だけでなく、安くてこんなにおいしいものが提供されている。

そんな「かつ庵」にはお子様メニューがあることをその時に確認していた。保育園に行って、愛娘にカツ丼屋に付き合ってもらおう。

と、4歳になったばかりの女の子とカツ丼を食べる。うまい。やっぱりここのカツ丼はうまい。

お腹はしばらくゴロゴロしていた。中には何もないのにゴロゴロする。それがどれくらいのサウンドかというと、お腹の上にいる猫が、

「はっ!」

と、その音に反応して音源を探すくらい。

さて、懸案だった大腸検査も終わり、これでわたしの体は不安なしの状態になった。あとは医者が言っていたが、この状態を持続させることが大事ということ。肉体というのは一度崩れたものを立て直すのは大変だという話をされた。

そう、そうなんだよね。わたしもそれが今頃になってわかった「趣味・病院」のひと。

大腸内視鏡はしばらくの間はしなくてよさそうだけれど、人間ドックなどの検査は定期的にしたほうがいい。

「でもまだ若いからね」

と、医者には言われたけれど。

今までのわたしはあまりにも形而上学的すぎた。着物美とかそういう外面的な肉体にはいろいろやったけれど、内臓だとか肉体の内面には疎かだった。

しかし、今は小さな愛娘もいるし、そっちが大変でわたしが病気なんてする暇はない。猫だっている。

そういうことから健康が必須だし、お酒飲んだりといった無頼には飽きたし、その生産性の低さにうんざりしていた。

そして、栃木に来て、東京にいた頃のようにバタバタしてない上、病院がたくさんある環境であることが大きい。

と、大腸オッケー、胃袋問題なし、肝臓数値も正常。

というわけで、お酒を飲んでも大丈夫な確信の上で飲むと美味しい。といっても、今はそんなに飲まない。

時々人と会って飲む。それも好きな人としか飲まないから回数も少ない。

あとは山ガール部で山登りして、そのあとホームであるホテルで飲むビールが最高。

さて、行きつけのウェルシアでビオフェルミンを買って、やりたい事案を続行、というわけ。

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