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オーケストラのクラウドファンディングがクソすぎな件

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結月でございます。

わたしは国内プロオーケストラに関しては、コロナ前からその運営のやり方に批判的だったけれど、コロナがあってプロオケの体質がやっぱり駄目だってことがあぶり出された気がする。

どこが駄目って、その最たるものが音楽のことしか考えてないってところ。

演奏者は百万歩譲ってそれでもいいかもしれない。でもね、運営はそうであってはいけない。もっと世間を知らなくちゃ。

コロナ危機で、どこのオケも「音楽の存続を!」的な訴えばかりで、いやいや、コロナに関してはあんたたちだけじゃないからさ、ヤバいのは。そんな時に音楽を訴えられても困るっていうことをわかっていない。

社会が絶好調で、音楽だけがヤバいのならその訴えは届くかもしれないけれど。

要は音楽に関係する人たちが音楽が大事だと独り善がりに思いすぎなんだよ。それを思っているのはあんたたちだけだって事実を知らなくちゃ。

と、ヤバい状況だからクラウドファンディングを始めたオーケストラもある。

札幌交響楽団は早いうちから始めて、まあまあの金が集まったと言える。こういうのは早くやらなきゃ駄目。内容はショボいと思うけど、取り掛かりの早さでなんとかなった。

ダメダメなのは関西フィルと日本フィル。

関西フィルは阪神タイガースの掛布の協力で野球グッズなどがリターンに。で、5000万を目標にしたいって言ってるみたいだけど、わたし、そのリターンを見たよ。あれさ、全部申し込まれても5000万円にいかないんじゃね? 5000万と言っておきながら、5000万円分のリターンが用意されてないんだけど…

そのリターンも魅力的なものもなく、一部の野球ファンが掛布のサイン入りグッズを申し込んだりの他は、特にすごいものはない。

早く在庫切れになったのはダイキンの空気清浄機で、こういうのは普通にあったらいいなと思えるから申し込みがくる鉄板。

でもさ、クラウドファンディングを始めたのもそれだけ苦しいってことだけど、やっぱりね、普段から音楽にしか目を向けてないから、どうもたくさんのお金を集めるやり方としてすごくズレている。そのリターンがね。

ダイキンに関しては関フィルの理事長がダイキンの会長だからって流れで、そのリターンがあって、おそらく無償提供だとは思う。

そう。何が言いたいかというと、クラウドファンディングのリターンで商品を用意するなら、その原価が発生し、申込金全額が懐に入るわけじゃないってこと。

だから、無償提供なものじゃないとお金にならないんだよ。

とまあ、そんな理由でリターンが自前のCDだったり、自分のオケのコンサートチケットだったり、写真を一緒に撮れますとか、原価がかからないものになっている。

つまり、クラウドファンディングは自前の魅力がものすごくて、かつ手を出しやすいものじゃないと難しいわけ。

だから、札幌交響楽団だって、高額リターンの母校や会社に演奏を録音とかは申し込みがない。

そりゃ、常識的にそんなもん、いらねーよってものだから。5万円でやってくれるならいいけど、それが100万とか150万とか、普通に考えて申し込むところなんてない。

なので、もっとお得感が満載で、手を出しやすいもの。これが大事。

それができないっていうのは、普段の音楽がそうだってこと。あなたたちのオーケストラは、お得感がなくて、魅力がなくて、手を出そうと思えないからチケットが売れない。

いやいや、その3条件が揃っても、コロナ以前からクラシック人口が減っているので、大ホールのサイズを埋めることが現実でなくなっている。でも、コンサート数だけは異常に多いとかさ。

なぜ、それだけコンサートの数が多くなったかというと、自転車操業的に回さないとやっていけなくなっているからだとか、プロオケでも発想がアマオケっぽくて、「音楽やろうぜ!」的なところでやっちゃうからなんだよ。もっと経営的に考えなくちゃ。

それを考えないから、公益財団法人となって税金負担をなくすみたいな思考になる。

いやいや、音楽なんて公益じゃねーし。公益だと考えるのも音楽関係者の悪癖。公益と言えるほど音楽には力はないし、そもそも公益なほど社会は音楽を必要としてないよ。公益だと思ってるのは音楽をやってる人だけだっつーの。

だから、クラウドファンディングだって、音楽に興味がない人も魅力に思え、手を出したくなるようなリターンを用意しなくちゃ。

音楽しか考えてないから、自己中的なリターンばかりになって、人気なのは空気清浄機とかになる。

あとはね、クラウドファンディングは運営会社に約20%の手数料が抜かれるから。このことは出資する側はあまり知らないけどね。

だから、1000万円集まったとしても手元に残るのは800万円。そこから原価などを引いたりして、その残りがやっと使える金なわけ。

オーケストラはクラウドファンディングなんか立ち上げるより、クラウドファンディングを運営するプラットフォーマーの側に回って、他人の企画を集めて手数料取るほうが儲かるんだよ。

公益財団法人なんかやめて、そういう金の集め方をして好きな音楽を思い切りやるほうがいいよ。コンサートチケットだけでやろうとするとキツいし、補助金に媚びなきゃいけないじゃん。

まあ、NHK交響楽団とか読売はそのやり方だから余裕があるんだけど。NHK受信料を全国から集めて大金を持つところがそのポケットマネーでオケでもやれよって金出してくれるから。つまりNHKも読売も受信料とか購読料のプラットフォーマーなんだよ。

そうは言っても、オーケストラを維持するためにはNHKや読売くらいの規模で金がないとできないね。普通の企業だとそんな趣味に赤字は出せないという健全な経営判断が働くし、そんな道楽はやらないよ。

さて、クラウドファンディングで最悪なのは日本フィル。アホだよ、あれは。もう日フィルは潰れたほうがいいって思う。あんな企画しかできないんだったら、存続価値ないじゃん。

だって、日本フィルのクラウドファンディングって、落合陽一とのコラボ企画だよ。そんなものに金出す人って、よほど落合陽一が好きか、日フィル会員の中でも経済的余裕があって、恵んでやらなくちゃと思える人くらいだよ。落合さんが悪いってことでなく、企画が悪い。

その結果、今日の時点で残り2週間、達成率が32%。

この危機にさ、なんでそんなニッチな企画なんだろう? 落合さんのファンは多くいても、それが音楽とつながって、かつ金払う人ってその何パーセントにもならないよ。

コロナで自分のオケが存亡の危機なんだから、もっと真正面からやったほうがいいのにね。

開催日未定で「1週間かけてマーラーのシンフォニー全曲やりたい!」とか、そういうガチなほうがウケると思うよ。

一体、日フィルってどこを向いているんだろうね? 落合陽一に向いているのかな?

そのニッチすぎる、そして観念的すぎてよくわからない前衛っぽい試みに対してリターンがその意味不明なコンサートのチケットとか、応援のお気持ち上乗せとか、ニッチコンサートのオリジナルTシャツとか、チケットなしのプロジェクト応援コースとか、

「お前、アメックスかよ!」

アメックスのポイント還元率とかその景品とか年会費とかひどいと思うほどケチで上から目線だけど、それができるくらいアメックスはステイタスがあるからさ。でも、日フィルはそれはできんでしょう?

だから、このコンサートチケットをリターンとして申し込んだのは全部でも300人くらいで、それで東京芸術劇場の大ホールでやるんでしょ? あれ、2000席くらいなかったっけ?

そんなの、収容人数規制の半分の1000人のさらに半分にもならんじゃないか。

しかもクラシックはこれから規制解除で満席にしていいんだから、2000席のホールだよ!?

ほんと、どこを向いて音楽をやっているんだろう、日フィルは。

日フィルに限らずだけど、そもそもコロナが怖くてコンサートに行きたくないって人がたくさんな状況で、なんでリターンがコンサートチケットなんだよ。そのコンサートの時にまた感染者が増えていたらリターンに応募しても怖くて行けないかもってお客さんは思うよね、普通。

とにかくクラシック音楽やってる人たちの世間知らずぶりはひどいよ。ほんと、演奏者はまだ許せても運営側がそれじゃ駄目。

そんなだから、クラシックは新規のお客さんが増えなくて、残された年寄りばかりになるんだよ。

落合陽一が今風だとしても、アプローチが狭ければそれは社会に伝わらない。

そういうキワモノっぽい企画こそ、余裕がある時にやるもので、潰れそうだから助けてください!っていうオーケストラがやるものじゃない。

これ、すごく当たり前で、簡単な視点だと思うんだけど、本当にそれがわからない人たちばかりなんだよ、音楽の世界って。

コロナに関係なく、衰退の運命だよ。

それは身から出た錆というより、身から出続けている錆によるもの。

もっと音楽を聴いたことがない人たちがどうやったらホールに足を運んでもらえるかを考えなくちゃ。

どうやったら音楽を聴いたことがない人にクラウドファンディングの情報が触れて、さらにどうやったらリターンに申し込んでくれるかを考えなくちゃ。

自分たちができることだけの視野で考えてるんじゃねーよ!ってね、わたしからのアドバイス。

クラウドファンディングは後からでもリターンは追加できるので、もっと多くの人が喜ぶものを用意しろ。

クラウドファンディング始めただけで、多分、その後何もやってないだろ? 放置してるだろ? それは見ればわかるよ。やる気のなさがね。

もっと貪欲になって、もっと多くの人の理解してもらえるよう期限いっぱいまで必死にやらないと駄目だよ。選挙に立候補した政治家みたいにさ。

音楽は尊いから誰かが助けてくれるって、それ、間違いだからね。

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