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盛り上げることって、とにかく難しい。

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結月でございます。

大阪・新世界の「づぼらや」がいよいよ閉店というニュースをウェブで見て、そこにいかにも大阪のオッサンというオヤジが出てきて、

「今日かいな。新世界も寂しなるな。もっと盛り上げていかなあかんわ」

なんていうコメント。

「盛り上げていかなあかん」

これは結構誰でも言えるもので、実際に盛り上げるのはとにかく難しい。

ロックのライブで、

「盛り上がっていこーぜ!」

という絶叫の掛け声に、

「ウォ〜!!!!」

と、観客席が湧き上がるなんて、よほどのカリスマミュージシャンでないとできないもので、ショボいレベルだと、

「盛り上がっていこーぜ!」

といくら叫んでも、客席となった小さなバーでさえシーンとなり、シラけてしまう。それどころか歌が歌われていても客席は各々が酒を飲みながら雑談をしてしまい、歌声がいくら響こうとも、

「そう!そうよね!わかる、それ!」

みたいな宴会のトークのほうが盛り上がっていたりする。

とまあ、人々を盛り上げるのは難しく、総じて選挙の時の候補者の駅前演説みたいに消費税減税をハンドマイクで訴えていても通行者はスルーみたいになる。

これも新宿駅に大観衆を作れる政治家レベルは一部で、カリスマロックスターと同じ構図がある。

というわけで、コロナで経済がボロボロになり、コンサート会場が満席オッケーになっても、GoToトラベルが東京追加になっても、GoToイートが始まってもなかなか冷えたものは盛り上がりが難しい。

GoToトラベルも当たり前ながらお得感のある高級ホテルなどしか盛り上がらず、数千円の割引にしかならない安い宿泊施設だとその恩恵が得られない。

コンサートだって、主催者は、

「客席の規制がなくなったんで、来てください!」

と、この解放感を嬉しくも熱く語るも、言われたほうは、

「いや、高齢者なんてちょっとまだ… ワクチンができてからにしようかと…」

みたいに温度差にガッカリするような答えが返ってきたりする。

つまり、盛り上げる主体的立場と盛り上げられる受け身立場は基本的な生き方が異なるわけで、どちらも盛り上がって楽しみたいと思う気持ちは同じだけれど、得てして受け身立場のほうが数として多いわけだから、

「盛り上げていかなあかんわ」

と、それらしいことは言えども、自分で盛り上げていこうなんて行動力はなく、口だけとなる。

卑近な例を言うと、着物を仕事にしているわたしは、

「着物って衰退産業だから、もう職人も高齢化して、近い将来ほぼなくなるのは間違いない」

なんて話をすると、ほぼ100%、

「それは残念ですね。日本の文化なのに… そういうのがどうしてなくなっちゃうのかな… 残っていけばいいのに…」

なんて優しいことを言ってもらえる。しかし、それも口だけで、そんなことを言う人に限って、着物は買わない、着ない。

本気でそう思うんなら、

「着物、買えよ!」

と思うけど、このように一つの危機は他人事なわけで、それはなんだってそう。

とは言いつつ、着物を盛り上げるなんて無理ゲーなレベルだから、どんなすごい人がいたとしても無理な範疇だけれどね。

そこはやっぱり金の力が偉大で、「まだ時期尚早」なんて言う人がいながらも、GoToトラベルが一定の効果を出して経済を見えないところでちょっとは救っているのも国の膨大な予算であり、GoToトラベルにかける金額がとてつもなく、そのお得感が半端ないから。

それくらいしないとコロナで冷え切ったものは盛り上がらない。それなのに絶好の時期に東京が除外されたりと、物事はうまくいかないもの。

まあ、文化の場合は好みもあるし、ライフスタイルの水準によって層も違ってくるので、

「着物買ったら10万円補助!」

だとか、

「コンサートのチケット買えばその倍額のJCBクーポン券がもらえる!」

くらいしないと人気のないジャンルは盛り上がらないでしょう。

と、そうなると怪しい詐欺サイトだとか、ショップジャパン的な宣伝になってくるわけで、なるほど物が売れるためには怪しくて、詐欺っぽいことをやらないといけないんだなと逆説的に理解したりする。

GoToトラベルやGoToイートが詐欺にならないのは、観光業や飲食業が担う経済規模がとてつもなく大きからで、ここをなんとかしないとそこに携わる労働者や小規模経営者が破綻し、国全体の経済が二度と立ち上がれなくなることをお国はわかっているからであり、手厚い補償をしてでも金を回す必要があるから。

そこには感染症的な正解などどーでもよく、コロナで死ぬ人より経済で死ぬ人が多くなり、そして国家の財政的運営が破綻するコロナより怖い現実が迫っていて、おそらく日本の政治史上、GoToや持続化給付金ほど手厚く金を使ったのはないんじゃないかという規模。

まあ、国のお財布事情を知っている政府がそれをやるということは、マジで経済がヤバいということなのでしょう。

と、ショップジャパンの宣伝よりもお得感があるGoToキャンペーン、これは盛り上がらないといけないね。

ゴキブリが家にいたから、その家を全部燃やすみたいな異常な恐怖はもう飽きたものとして、頭をもっと正常に、クールに、

「コロナなんてないさ、コロナなんて嘘さ」

とまではいかないにせよ、わたしはGoToトラベルで盛り上がりたいから、3歳の愛娘を連れて、

「どこかに行こうかな!」

と、ときめいております。

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