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日本フィルから潰れるかも。

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結月でございます。

コロナ騒ぎであらゆる業種が危機的なところに追い込まれている。そんな中、オーケストラもど真ん中に危機な業種で、もともと維持費が膨大なくせに儲からないジャンルだったがために、今までの公演中止の損失をこれから取り戻すのはちょっと無理なんじゃないかと思ったり。

そんなリアルが日本フィルハーモニーの理事長の言葉にあった。

www.japanphil.or.jp

年間の赤字が4億円超えが確実で、3億円の債務超過となるらしい。これだけの記述では全部は把握できないにせよ、ほぼ返済不能の領域に思える。

しかも7月から公演を再開したとしても、収容人数の制限が「要請」されている状態だと、ホールを満席にできない。これはどこのオーケストラも同じで、それだけチケット収入がなくなるわけだから、利益として残るよりも経費が出れば御の字という具合かもしれない。

ソーシャルディスタンスを要求されるのは観客だけでなく、演奏者もであり、これが音楽的にいかに異常であるかが関西フィルハーモニー管弦楽団のサイトでわかる。

https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12890/

f:id:yuzuki-miki:20200606202823j:plain

これってどうなの…? と、なんだか哀しさと絶望が混濁した気分になってしまう。

そして、関フィルの記述には、

フルオーケストラと同じ響きを得る事は難しいものの、
演奏可能であると判断いたしました。

 とあって、「演奏可能」っていうのは、演奏はできるけど音楽的なクオリティは駄目ってことだよね? さらに、

限られた条件で最良の演奏をお届けするため、
お客様に再び「生の音楽」を感じていただくための今回の決断…
どうかご理解いただければ幸いです。

 なんて言ってるけど、「生の音楽」と言っても、それ、居酒屋に行ってハイボールを頼んだら、超激薄のハイボールで、ほとんど炭酸だけだけど一応、ちょっとだけウイスキーは入ってるのでっていうのと同じだよね。演奏可能っていうのは、一応飲めるっていうことと同じだよね。

そんな「生の音楽」って音として感動はしないだろうし、生演奏であることが目的になってしまって、音楽が二の次になってる。

こんなクオリティでやるか?とわたしは思うけど、やらないとチケット収入はゼロのままだし、とにかく演奏しなくちゃというところなのだろう。

ステージの上がこんな有様で、1704席のザ・シンフォニーホールで最大700席だけにするらしい。満席でも通常の半分以下のスカスカ状態。初回はいいかもしれないけれど、このコンサートを見て、次も来ようと思うかな?

コンサートに行けば侘しい気分になるようで、こんな哀れな姿は見たくないと思ってしまいそう。

コンサートは開催しないとチケット収入ゼロだし、でもやれば哀れだし、しかも努力でなんとかなるものでなく、八方塞がり。

さらに演奏者がマスク姿。音を発する音楽がマスクで遮られているようで見た目も悪い。いくら弦楽器でも拘束されたような姿。

そこでおさらいしたいんだけど、そもそもソーシャルディスタンスは飛沫が飛ぶのが最大で2メートルだからってところから来ているんだよね? しかし、この距離は国によって見解は異なる。

ともかく2メートルを採用したとして、口から飛んだ飛沫は放物線を描いて2メートル以内で落下する。だから、その飛沫を飛ばさないようにマスクが推奨されるわけ。ちなみにマスクの予防効果は「ないよりマシかも」という程度なので、マスクの効果は感染者の飛沫を抑えることだけ。

ということは、マスク着用というのは、2メートル以内に誰かが入る条件で推奨されるわけだよね。これは厚生労働省が公式に言っていることだよね。

だったら、演奏者同士が2メートルの対人距離を取っているのであれば、マスクは不要ということだよね?

なのになんでマスクしてんの?

社会がマスクばかりになっていることに合わせて、つまり不安を抱かせないためにやっているのか、そもそもオーケストラの事務局がマスクの意味をわかってないかだよね。

さらに言うと、マスクを着用しているのであれば、2メートルの対人距離は取らなくてもいいのではないの? 演奏者に感染者がいたとしてもマスクで飛沫が飛ばないわけだし、さらに演奏会前に演奏者の体調管理もするのであれば、演奏者が咳が止まらない状態ってことはないはずだよね。ということは、弦楽器奏者に関して言えば、全員マスク着用であれば、普段通りのセッティングで大丈夫ってことだと思う。無論、マスク着用の見栄えの悪さや、演奏者の演奏しにくさは避けられないけれど。

つまり、言いたいことは、オーケストラは公演再開にあたって、そのあたりのことは考えてやっているのかどうか。わかってはいても、公共施設を使う際のガイドラインに仕方なしに合わせているのか、その辺のところがよくわからない。

観客席にしても、客が大声を出してエキサイトするようなものでないクラシックでそこまでの対人距離を取ることが必要なのかというと、実は必要はない。ただのやりすぎという見解がある。

物理的に考えても、クラシックコンサートでクラスターが起こるとは思えない。ゼロリスクを目指すからこんなおかしなことになってしまう。

だから、わたしが思うにオーケストラは通常通りやってしまっていいということ。その正当性をもっと社会にアピールして、それを理解してくれるお客さんに来てもらえばいい。

異常なゼロリスクに合わせようとするから、こんなわけのわからない姿になるのであり、しっかりとした音楽をやるのであれば、根拠が怪しくて、実は意味がない対策はやめていくべきなんじゃないか。

そうでないと、こんな無理な姿でコンサートをやっても収容人数は制限されたままでは採算が合わない。ホール収容人数の半分も入れられないのであれば、単純にチケット料金を2倍にしなければならない。

しかし、それをすると高いチケットは売れないし、そもそも演奏者が距離を取ったステージで本来のサウンドを出せないものに高い金は払えない。

結局はどうやっても採算が合わないことだけは確かなのであって、その状態で年内、さらに来年まで続けても2月からの公演中止分の損失は取り戻せるわけがない。

それを薄々わかった状態で、無理に公演をすることにメリットってあるのかな? お客さんだって満足できない。演奏者だって思い切り演奏できず複雑な気持ち。

つまり、これ、音楽が成立してないってことなんだよ。

だったら、もう諦めて潰すか、要請無視で「コロナ上等!」でバンバンやっちゃうかだよ。法的な罰則はないんだから。

わたしだったら後者だね。バンバンやっちゃう。

やる代わりに対策で強いられることの中で根拠がなくて、意味のないものを科学的にあぶり出して、それを証明する見解をウイルス学者や感染学者、さらには経済学者などなど関わる分野の全ての専門家によって裏どりして、ちゃんとした科学的な根拠でもって安心を提供する。

しかし、もちろん万が一、さらに万が一、感染者は出るかもしれない。それはどこに行ってもあるもので、生きている限りその確率はある。だから、そこはチケットを販売する上で了承を取り、つまり合意しておいてもらう。

そして、最高の音楽をやるよ。

収容人数を制限された中では財政的に勝ち目はないのだから、オーケストラを存続させるのであれば、それをやるしかない。

それをやる覚悟がないなら存続できないのだから、赤字をダラダラと拡大していろんなところに金銭的な迷惑をかけるのであればすぐに解散したほうがいい。それが誠実というものじゃないかな。

自分たちが音楽やりたい気持ちを維持したいがために、どうして返せるアテもない赤字補填に寄付金を募るのだろう?

日フィルの年間赤字4億円越えなんて寄付金でどうにかなる額じゃない。東京都だって財政の大半をもう放出してしまっている。

しかし、日フィルの理事長が負債の金額を概算であれ、公表したことは好感が持てた。

額を公表しているのは、日フィルだけじゃないかな。そのほかのオーケストラも寄付金のお願いを掲載しているけれど、コロナによる演奏会中止で存続が危ういという記述だけで、具体的にどれだけ負債があるのかは公にしていない。

公にしないと、「一体、いくら必要なのか?」がわからない。

寄付金を募るのであれば、そこは恥ずかしがらずにオープンにすべきじゃないか。

ちなみに関西フィルハーモニーの昨年の寄付金の合計は、634,000円とのこと。コロナがない場合の年間の額でたったこれだけ。

コロナの危機で、もしこの10倍の寄付金が集まったとしても約600万にしかならない。

その額でオーケストラが助かるのであれば有意義だけれど、箸にも棒にもかからないとするならば、もはや寄付金詐欺に近い。

ここまで追い込まれているのはオーケストラだけではない。そんな状況の中では、音楽が偉大だだとか、音楽が人を救うだとか、音楽の力を信じるだとかいうポエムは通用しない。

なんとかしてオーケストラを残すのであれば、複数のオケをひとつにまとめてリストラし、財政を一極集中させるしかない。

演奏者で失業者は出るが、ひとつのオーケストラは残る。つまり、音楽の種火は残る。

そもそもコロナがなくても日本にはプロオーケストラが多すぎるのだから。コロナに関係なく、需要と供給バランスがおかしかった。

国も地方自治体も、あらゆる企業も総スカンなのだから、どこにも頼ることができない。

だったら、コロナ対策の理不尽と玉砕するつもりで戦うしかないんじゃないか。

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