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絲山秋子の『勤労感謝の日』がちょろっとおもしろかった。

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結月でございます。

眠りから覚める直前、頭の中でショスタコーヴィチの「革命」の第4楽章がなっていて、眠りから覚めてもしばらく鳴り続けていたので、CDで改めて聞こうと思ったが、猫が気持ち良さそうに眠っていたので聞くのをやめた。

そう言えば。

絲山秋子の『勤労感謝の日』という短編小説を読んだら、これがクソつまらない内容だけどおもしろかった。

本当にくだらなくて、クソつまらないんだけど、

「ああ、わかる、わかる。そんな男いるわ」

なんて共感してしまって、笑えてしまって、読後、どうなることもないのに、

「おもしろかった」

という感想が残った。

芥川賞作品の『沖で待つ』よりもこっちのほうが小説としては好きだけど、『勤労感謝の日』は芥川賞候補にあがっても受賞はしなかった理由はわかる。芥川賞の格からしてちょっと短すぎて、いいんだけどこの賞にはちょっとね、という判断が働いたんだと思う。

ところで。

ショスタコーヴィチは交響曲第5番「革命」が最も有名で演奏回数がずば抜けて多い。でもさ、アタシはあんまり5番はいいと思えなくて、ほとんど演奏されない第8番のほうが断然いい!と思うんだよね。

ただでさえ演奏されない第8番も「新しい生活様式」という気持ちの悪いものにオーケストラやホールが従うとなると演奏は不可能なんてことになるんだなぁ。いやいや、第5番どころか、ほとんどのオーケストラの曲がまともな演奏、まともな客席でできなくなる。

人から押し付けられることには全身でもって反抗するわたしはもちろん「新しい生活様式」なんかの要請には従うつもりはない。生活様式なんて強制されるものじゃないし、あまりにも人間てき、あまりにも人間的に生きてる自分としては、非人間的な要求は無視。

しかし、そんな提案をする人っていうのは、普段人間的に生きちゃいないんだろうなぁ。だからウイルスに感染しない方法だけに特化して人間を否定することができる。

な〜んて言っても、もう東京にいないわたしは「新しい生活様式」を云々言われるまでもなく、たくさん人と接することもないし、猫たちと3歳児と濃密な暮らしをしている。

それはさておき。

絲山秋子の『沖で待つ』は自分のパソコンのハードディスクの中にはヤバいものがたくさんあるから、死んだ時に中を覗かないで破壊してくれる友達っていうお話だった。

その「時」のために自分の部屋の鍵もあらかじめ渡しておく。

中を覗かないで破壊してくれるというのは信頼関係以上のものがありそうで、さて、自分にはそれを頼める人っていうのかな?と考えてみた。

すると、ひとりだけいた。彼女ならきっと中は見ないだろう。

でも、そんな面倒なことを引き受けてくれるかどうかは別の話だし、わたしのMacBook ProはハードディスクではなくSSDだし、これを取り出すのは至難の技で、取り出して元に戻すなんてきっとMacの工場でなきゃできない。

となると、物理的に破壊するとなると、電気ノコギリでMacBook Proを切断しまくるという話になりそうで、そうなると器物破損か何かの犯罪行為になりそう。やっぱ、そんなことは頼めないなぁ。

と言っても、今のところわたしのMacBook Proには見られてヤバいものは入っていない。

さてと。

今日は将棋の藤井聡太が史上最年少のタイトル挑戦獲得なるかという大一番。将棋は趣味じゃないけど、ちょっと気になる。気になるけど、それほど他人のことは気にしちゃいない。

他人のことより自分のことのほうがおもしろいし、ちょっとした「へえ〜」という感動みたいなものを天才棋士から得られる楽しみ。

そんな他人の偉業が自分にどうなるわけでもないけれど、自分の世界だけに退屈しない小さなスパイスみたいなものか。

小説もそんなものなんだよね。

小説読んで自分がどうなるわけでもない。

言ってみれば、デパートの地下食で不意に手を伸ばした試食品は思いのほか、美味しかったなんていう程度かな。

と、絲山秋子の『勤労感謝の日』はくだらない内容なんだけど、おすすめってことで。

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