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栃木に来てブルックナーの良さがちょっとだけわかってきた

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結月でございます。

アタシ、ブルックナーのこと、超絶駄目なんだわ〜 マジでクソつまんない。

というのがわたしにとってのブルックナーで、それではいけない、なぜなら西洋音楽史にこれだけ名を残しているのだから、すげえものがそこにあるはず!

と、感性的に受け付けないくせに無理に勉強しようとブルックナー全集も持っていて、何度も聴いてみるも、

「ダメ… クソつまんないからCD消していい?」

となってしまう。

一応、これでもブルックナーは中学生の頃から聴いてはいるというのに。

なんかさ、ブルックナーって大げさでさ、それでいて旋律がとりとめないっていうか、はっきりしないよね。

アタシとしてはブルックナーの音楽って、詰襟の軍服着た中年男たちが集まって男尊女卑を称賛し合っているようなサロン的なものを感じちゃうわけ。男が最高!とか言ってるだけで、実は女に相手にされないみたいな。

そりゃ、アタシはブラームスのほうが好き。

なんて言いつつも、もう音楽はあまり聴かなくなっていて、興味の対象でもなくなってきた。もう十分やった、自分なりに思うところ。

だからブラームスも聴かない。ブラームスを聴くとなんだか鬱陶しくなってきちゃってさ。だって、あいつ、おセンチすぎるんだよ。

きっとわたしがドライ路線になっていて、クールに、感情の余計な起伏みたいなものを無くそうとしているからかもしれない。

というわけで、チャイコフスキーなんてウザくてさ。あまりにもロマンティックすぎてウザい。

そんな時に3歳の愛娘のために買ったオンキヨーのミニコンポでブルックナーの4番をかけてみた。これでもまだブルックナーをわかろうと努力してる。

すると、何度も聴いたその旋律、ちょっといいなっていうか、悪くないフィーリングを得た。

そしてわかったのが、

「ブルックナーって栃木みたいじゃね?」

ってこと。

ブルックナーの退屈さって栃木じゃん! なんか特徴がなくてさ、都道府県魅力度ランキングではほぼシカト状態で、それでいて日光連山とかすごい山々があってさ。

ブルックナーの音楽はチャイコフスキーみたいなメロディーメーカーなところが全然なくて、要は不器用で、これといった旋律を歌えなくてさ、その存在をくどくすることで全体的にアピールみたいな感じでオッケー?

それをずっとネガティブに捉えていたものが、栃木に来て、

「ああ、そういうところがいいわけね」

なんてちょっとわかってきた。

栃木のダサさみたいなもの。それが実は魅力であることをわたしは知っている。わかりやすいものがなくて、つまり象徴的なものがなくて、栃木の蕎麦屋に行ったら、メニューは盛りそばだけみたいな。

栃木に来てお蕎麦の美味しさを理解したのはブルックナーに通じるのかもしれない。

でも、ブルックナーって男臭い音楽に思われがちだけど、栃木ってそんなに男臭くはない。かといって女臭くもない。ただダサいだけみたいな。

あとは栃木を栃木にしている大きな理由は海がないことだと思う。

栃木に美人が一人もいないのも海がないからだと思う。山の土臭い顔なんだよね、みんな。

で、今までたくさんエレガントなものに接して、ゴージャスで派手で、華やかなものが好きで生きてきたわたしはもうそういうのからは卒業して、飾り気のないダサさに魅力を感じている。それが栃木の雰囲気に合っていて、栃木の居心地の良さになっているのかもしれない。

わたしはまだブルックナーを聴いてシビれるとか、恍惚になるとか、そんなことは一切ない。でも、ブルックナーの不器用さっていうか、ダサいくせに頑張ってる感、そんなブルックナーという人間のことがちょっとわかるようになった。

ダサすぎて、内向的で、だから女にモテない。それはもしかすると、都道府県魅力度ランキングの栃木県の結果と同じなんじゃないか。

特徴がないのが実は特徴で、特徴がないことが実は魅力というようなもの。

だから、必死に特徴を出そうとしてますます大げさになる。それがブルックナー。モテない男のブ男が必死にヘアセットしようとする姿。

モテたい!モテたい!そんな強い気持ちがブルックナーを大げさにした。

でもやっぱり女にモテなくて、結局男たちだけで集まってるみたいな。

そんなダサさを栃木に来てわたしなりにわかり始めた。

でも、栃木はブルックナーのように大げさじゃない。ノーメイクでダサいまんまという感じ。

ところが、そういう飾り気のなさがいいとわたしは今、思っている。

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