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2年半ぶりの中国 2020年春節

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結月です。

昨日昼過ぎ、中国着。杭州空港。

高速バスの乗車券カウンターに行くと行列。スマホ決済でない人もまだ多い。しかし、スマホの普及により、それでも前よりは行列はマシになった気がする。

でも、技術が進んで便利になってもなかなか変わらないのが人間で、カウンターで強烈な大声を出すクレーマーが普通にいる。それを見て、

「相変わらずだな…」

と、思う。

日本は世界的に見てとても平均的な人間ばかりの国。中国は国土も広く、日本にはいないほどの超エリートもたくさんいれば、日本では考えられないほど下級な人もいる。

日本は他人の目ばかり気にする社会だけど、中国は他人は気にせず自分勝手に押し進めるメンタルが強い。

だから、日本には中国には存在しないストレスがあり、中国には日本には存在しないストレスがある。

クレーマーのおかげでわたしが並んでいる列の職員がクレーマー対応に行ってしまい、その結果、カウンターがひとつ閉鎖状態。

これが日本にはない中国での典型的な面倒。

すると今度はわたしの列の後ろに並ぶ人が大声で罵声。職員もキレて罵声。もうぐちゃぐちゃ。

さて、今回の滞在は旧居ではなく、新居。いつもは郊外のマジなド田舎だったのが新居は街の中心にある。

去年できたばかりの家。タワマン。部屋は29階建ての18階。

部屋からの景色はこんなの。

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着いてすぐ義母の家庭料理。

中国料理が油っこいというのは正確ではなく、一言で全体をまとめてはいけない。この食卓には油っこいものはひとつもなし。
定番の鶏の蒸し料理。

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ここに来ると毎回食べる。おふくろの味。自分の母親にはそういうものを感じない。他人の母親なのにこの蒸し鶏にそれを感じるのは何か「絶対的」というエッセンスがここにあるから。これを作るから作る。打算もなく思考もなく、いつもこれを作ってくれる。
こんな油揚げの料理も。
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そしてこれが「ならでは」の逸品。鯉の塩漬けの干物。
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川魚特有の、さらに日本よりももっと泥の河川、つまり大陸の川にに住む魚の濃厚な泥臭さを塩に浸して発酵させて干す。クサヤの中国版。これは大変おいしい。しかし、これを食べてすぐにおいしいと感じられる日本人は0.1%もいないはず。わたしのように何でも食べられるコスモポリタンで、かつガチな中国ライフに慣れた人間でないとここに美味を見出すのはまあ無理かな。
ところが例外がいた。それは隣に座る愛娘であり、3歳になったばかりのくせにこのアダルトすぎる鯉の干物をおいしい!とバクバク食べる。
国籍は日本でもハーフ。さらに日本人でもわたしの血統。
この鯉には当然地元のお酒「紹興酒」が最高に合う。合いすぎてたまらない。食通を極めたこの味わい。
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しかし、当たり前だけど紹興の地で紹興酒を飲むと本気と書いてマジと読むほどうまい。
日本で飲んでもこのフィーリングは得られない。紹興酒はこの浙江省の、揚子江のデルタ地帯が数千年もたらしている泥の香りが空気に染み込んだ、この湿度の高い沼地のテイストが生むお酒。だから日本では物足りない。中国でも乾燥した北京では紹興酒はあまり合わない。
食事を終えて大型スーパーに買い物。
タワマンが何棟もそびえ、その敷地がとてつもなく広く、出口に出るまで歩いて結構かかる。本当はクルマが必須。
そして、また中国の面倒臭さ。国土がデカすぎて、近所が遠い。スーパーまで徒歩30分。都会なのにこの有様。
とにかく歩く。
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うちの家人とそのお母さん。そして愛娘のシャンシャン。
夜の街並み。

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しかし、3歳にはこの距離は長かった。飛行機の疲れもありスーパーにたどり着く前に爆睡。
眠る15キロの愛娘を抱っこして歩く。腰が砕けそう。
「ダメだ、もう抱っこできない…」
と、体力の限界に達したところでスーパー。
「よし、あのデカいカートにシャンシャンを乗せよう!」
何でもデカい中国の、デカいショッピングカートに3歳児を乗せる。
中国は繁栄しているから、スーパーは物資に溢れていて、客もたくさん。景気がいいってすばらしい。これに比べると日本はあまりにも暗くて貧しすぎる。
持ちきれないくらいいろいろ買ったので、帰りはタクシー。
しかし、夕刻のラッシュ時でタクシーはつかまらない。
でも、大丈夫。中国版Uberで電話したら近くを走って小銭稼ぎしているクルマをすぐに呼べる。
何かと面倒な中国で電話に向かって大声で場所を伝え、交渉している家人。
それは18年前、北京で出会った時のままの姿。そうそう、ああやって、あんな顔で、大声で電話するんだよ。ちょっと懐かしい。
この女、日本にいるときはかなりクソで、できる限り一緒にいたくないほど腹立つんだけど、中国で見るととんでもなくいい女なんだよなぁ。
要は日本の空気や風習に合わないことをやりすぎるから、日本ではわたしが相手するのに大変ということ。ホントにトラブルメーカーだから。それが中国にいるとたまらないほどいい女に見える。
場所によって人の魅力って変わるものだね。
さて、初日から中国メーカーの電気自動車を二度体験した。電気、いいね! 音が静かだし、走りがスムーズ。シフトショックもない。なのに加速もいい。実に快適。
電気自動車では中国が完全に世界でリードしてる。日本が報じない日本にとって不都合な真実。
日本は国産メーカーが跋扈するおかげで中国の電気自動車は入ってこなさそうだし、何よりも充電などのインフラ投資が遅れすぎ。
そのうちガソリン車が走るのは世界で日本だけってことになるかも。ヨーロッパも将来的にガソリン車の販売を禁止することが決まってるしね。
あとは5G。中国はネットテレビが主流だし、ものすごい数の番組数。メチャありすぎて見切れないよ。
今日は愛娘のために「トムとジェリー」を見てた。昔の古いバージョン。
ああ、これ、わたしも子供の頃見てた。「トムとジェリー、仲良く喧嘩しな」ってやつ。
それも100話以上軽く見られてしまう。こりゃ、5Gじゃないとね。
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日本はこれまた遅れてる。5Gで世の中を変えようという気概がないよ。
わたしが中国と関わり始めたのが18年前。その頃はこの街もアスファルトもなく、泥だらけの道だった。ボッタクリのタクシーはたくさんいたし、乗れば運転手と喧嘩。街は非衛生でそれはそれは汚かったよ。
でも今は随分変わった。道路にゴミが落ちてない。タワマンが建ち、その敷地には住民用のプールがあり、冬は地下に温水プールがある。
あの頃は中国人のケータイはノキアのおもちゃみたいなやつだったのに今はみんなスマホで電子決済している。
走るクルマはモーターショーさながらに高級車ばかり。
たった十数年で中国は驚くほど変わった。
でも、あいつが大声で電話で交渉する姿は何も変わってなかった。
変わったのはあいつの手がシャンシャンの手を握っていたことだね。

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