結月でございます。
保育園も休みということで、愛娘といつもより多く映画を観る。
遺伝なのかよくわからないけれど、映画を連続して観て平気というのはわたしと似ている。
フランスでは映画館を1日に3本はハシゴしていた。パリやリヨンには名画座があるので、毎日観ても観きれないほどの映画がある。
昨日はDVDで借りたトムとジェリーを観た。
おもしろいと思って借りたはいいけど、これは駄作。というか、作る気あんの?という出来だった。
脚本が単純で、今じゃ誰にだってすぐに書けそうな内容。あとはトムとジェリーがサイレント映画さながらのパントマイムでまったく喋らないのは時代的に受け入れられないかな。
映像としても古い時代のアニメと根本的には変わっちゃいない。製作はワーナーだけど、ワーナーはもうアニメは作る技術がないんだなぁ。
と、そんな映画を観た直後に明後日3歳になる愛娘は、
「つぎ、みる〜」
と、『トイ・ストーリー2』を自分でデッキにセットする。
「いよっ!待ってました!トイ・ストーリ2!アタシもそれが観たかった!」
前作、つまり第1作を観て、映画的におもしろいと思ったわたしは全作観ようと順番に借りることにした。
冒頭でいきなりバズ・ライトイヤーが宇宙で戦うシーン。なかなかおもしろい。でもこれはテレビゲームの中という設定。
その後からは映画のテンポがすぐ落ちる。第1作のようにいきなり惹きつけ続ける力がない。
第1作でキャラがおなじみになったせいで、どうしてもそのキャラで物語を作ろうとしてしまっている。
切れ味のあるジョークもなく、台詞劇のまま些かの退屈が続く。
それがどこかで挽回されることはなく、最後の飛行機のアクション。ハラハラ感はなくはないけど、あのような展開は『ダイハード2』でも観たことあるし、既視感。
全体としてはそこまで悪くないんだけど、第1作の痛快さを期待していたせいもあり、やっぱイマイチかな。
キャラクターの性格が第2作ゆえに知られてしまっているから、彼らがどういう行動を取るかが予測できちゃうんだよね。
それは脚本家も同じ。すでにあるキャラクターで書かなくちゃならないから、どうしても物語を作りにいってしまう。
得てして続編というのは映画で失敗する。『トイ・ストーリー2』は失敗まではいってないとはいえ、前作より落ちるんだよね。
映画史上で第2作目が第1作目を超えるか、もしくは匹敵してどちらがいいか選ぶのにすげー悩むっていう例ってそうたくさんないんだよ。
成功例としては、『エイリアン』かな。あれは2作目もよくできていておもしろい。過激さから2作目が好きっていう人が多いけど、観直すとやはり1作目のほうが映画としてはすごいよ。
う〜ん、でも確かに『エイリアン2』もいいんだよね。
あとは『ターミネーター』もまあまあかな。それでも1作目がおもしろいけどさ。
『ダイハード』も映画としては何て言っても第1作目。それ以降は退屈しのぎに国際線の飛行機の中で観るにはいいかなって感じ。
ともかく、第2作目では第1作目をぶっ壊すくらいでやらないと成功しないんだよ。
『エイリアン2』がおもしろかったのは、エイリアンが1匹だけじゃなくて、うじゃうじゃ出てくるっていうところで前作のセオリーをぶっ壊したから。
1匹だけであんなに怖いエイリアンがうじゃうじゃ出てくるという未体験の怖さがあった。
そういう意味では『トイ・ストーリー2』は舞台設定やキャラとしてもあまり無理ができなくて、物語が説明的な進み方になったと思う。
まあ、それでも何とかうまくまとめてはいたけれど。
ただ『トイ・ストーリー2』でよかったのはエンディングクレジットでおもちゃたちのNG場面集を取り入れたこと。あれはすごくよかったよ。
CGで描かれたおもちゃたちが俳優のようにNGをするわけがないんだけれど、それがあたかも人間の俳優のように振る舞ってドジなことをやるのはおもしろかった。
しかし、アメリカっておもしろいよね。あのジョークのやり取り。アメリカ人が面白いよ。
そして、歌のセンスはズバ抜けてるよ。さすがブロードウェイがある国だと思う。あんな洒落た歌を作れるのはアメリカだなって思う。
と、次回は『トイ・ストーリー3』へと向かうのであります。