結月でございます。
インターネットが本格的に登場した頃はまだ人間ってまだまだアナログ的な考え方や感じ方をしていたと思う。
ダイヤル回線からADSLになったのは今から17年前後前だと思うけれど、その頃はやっとインターネットが快適なスピードになり始めただけで、それを使う人間のほうはまだまだ旧世代のアナログ的だったんじゃないかな。
スマホが登場した頃もまだ使い勝手が悪くて、つながらないとか、通信が遅いとかそんな問題があった。
しかし、今は完全に快適な環境になって、これから5Gはあるとは言えど、日常生活に不便がないほどにネット環境は整った。
インターネットとはすなわちデジタルだから、その環境はデジタルによって構築されている。だから社会もデジタル的になってくる。
日本もようやくQR決済も浸透し始め、現金という印刷された紙やプレスされて作られた硬貨がなくてもデジタルに変換された通貨を使えるようになった。
そんな時代には食える仕事はプログラマーだったりデジタル関連なわけで、今時、手作りの良さ云々というのは流行らない。
スーパーでもセルフレジが増えて、タッチパネルで支払いをする。
しかし、タッチパネルというすごく簡単なものを理解できないのか、高齢者が戸惑っていたりして、それをケアするのにレジの店員が説明しなければならず、その結果レジが混むなんて馬鹿みたいなことが起こる。
さて、考え方や生き方がアナログでなく、デジタルにシフトしているのが今というわけ。
わたしは何年か前までは超アナログ人間で、おセンチなところもあったし、ヒューマニズムもたっぷりあったし、紙でなければ本でないと考えるタイプだった。
しかし、自分が会社員でない、つまり会社のように環境が変化しにくい場でなく、絶えず変化にさらされる自営で生きているとだんだんアナログ的な考えではうまくいかなくなってきた。
そしていつの頃からか、デジタル的な考えを取り入れるようになって、そうこうしているうちに当然ながらそれまでの自分とは異なる自分になり、デジタルの互換性のように時代に互換しながら生きるようになった。
さらにおセンチな感情など排するようになり、こだわりをなくし、できる限り情念で判断することはしなくなった。
すると世の中が悲観的なものに見えなくなった。ついでに面倒なことがなくなり、生きやすくなった。
面倒なことがなくなるというのは正確に言えば、面倒はあるのだけれど、そこにこだわらないから面倒を体感している時間が少ないということだろうか。面倒なことは絶えずあっても深追いしないから面倒に関わっているストレスがない。
そんな話をしたのは、今、ストレスを抱えていたり、世の中が悲観的に見えたり、自分に苦労が多いと思い悩んで憂鬱になっている人は、スーパーのセルフレジで戸惑っている高齢者と同じじゃないかということ。
タッチパネルみたいな簡単なものが理解できないのは、それは頭がアナログだからであって、アナログ的な考えの蓄積やこだわりがあるからタッチパネルを見るとどうやったらいいかわからなくなる。
世の中の環境がこれだけデジタルになっているのだから、その中でアナログ的な考えや生き方をしていればストレスが溜まるのは当然であって、逆にデジタルと割り切って生きている人は楽しくやっている。
何かやりたいことがあっても金がない場合、今ではクラウドファンディングで金を集めることだってできる。やってみれば実に簡単なことなのに、アナログ習慣だと人からお金を提供してもらうのはどうかだとか、誰も気にしちゃいないことを勝手に気にして悩むことになる。
デジタルには余計な感情がないから、合理的にことを進めることができる。
しかし、それだけだと生身の人間は辛い。だから目標をアナログで捉えて、手段はデジタルでやるのがいい。
進め方はデジタルでも、アナログ的な人間らしさは持っておくこと。
ただし、決断するときは情念なしで、デジタルでバッサリと決めるべき。
ともかく、社会環境がデジタルになって、人間の考え方もデジタルになっているのだから、そこにアナログ的な情念などを持ち込んで考えるとうまくいかない。
考え方をデジタルにするのは簡単なことじゃないかとデジタル派は思うんだけど、アナログとデジタルの違いに気づかないアナログ派はそれがわからない。
とにかく、ストレスがあったり、悩みが多いっていうのは、おそらくあなたが時代とマッチしてないからだよ。古臭い感性で生きてるから時代に合わないんだよ。
セルフレジがわからなくて、
「お金を手渡しでやれればいいのにねえ!」
なんて不平を言う老人と同じかな。
そんな老人のために社会はアナログなレジを復活させようとはしない。そんな無駄をデジタルはしない。スーパーでモノを買いたければ、タッチパネルを覚えてくれ。
自分で自分の思うような世界を築ける力を持っていれば別だけど、そんなことはあり得ないから、時代がデジタルなら、デジタル的に生きるのがいいってことで。
そうしたら結構この世の中、おもしろいよ。