結月でございます。
わたしは基本的にやりたくないことはやらない主義なんですが、やりたくないけどやったほうがいいってこともあります。
うちの愛娘は2歳で、ちょうどイヤイヤ期の真っ只中。
自分がやりたいことを言葉で表現できなかったり、もしくは手足がまだ未熟でできなかったりするとモンスターになって泣きじゃくる。
とはいえ、今は何をやりたいのか大体わかるのですごい苦労というわけではないですが、歯磨きを嫌がったり、朝、パンツを替えるのを嫌がったりするときは大変。
イヤイヤ期は自我が芽生えているからその葛藤のせいで起きるものだけれど、「やりたい」ことを自己主張することは大人になっていくと薄れてしまい、多くはそれを控えることが良いとされたりする。
さらにそれはやりたくないけどやってしまうメンタルになって、ブラックの温床になる。
さて、人間は「やりたい!」と強く思うことで何かを行動し、結果を出していくものです。だからやりたいことがないとか、やりたいけどやらないとかでは何の結果も出ないからつまんない人間になったり、何のスキルもなく、
「将来、どうしよ…」
みたいな心境になったりします。
2歳児を見ていて、やりたいことができないときにあれだけ大泣きできるのはすごいことだと思いながら、育児としてはやりたくないけどやったほうがいいことをやらせるのが実に難しい。
大人になってからやりたくもないことをやる必要はないから、ブラックが喜ぶような人間にはしたくないと思いつつ、やったほうがいいことをやらない人間になるのも困る。
つまり、歯磨きはやりたくなくてもやったほうがいい部類であり、それをいかにやらせるかが容易ではない。
それでも上手におだてたりして、歯磨きはしてくれるし、仕上げの歯磨きはわたしがやるのだけれど、一筋縄ではいかないときがある。
やりたい気持ちを殺さずに、やらなくちゃいけないことをやるようにする困難。これは大人でも同じだと気づいた。
思うにほとんどの大人はやったほうがいいことから逃げてやらずにいて、やらないで済ませる心地よさを得ようとしている。
勉強だってやったほうがいいのにやらないでいたせいで学校に入れず、低学歴のせいでいい仕事が得られないまま将来が不安になったり、あのとき告っとけば結婚できたかもしれないのに臆病風に吹かれてそのチャンスを逃しているとか、これらは歯磨きをしなかったせいで虫歯になるのと同じなのではないだろうか。
しかし、言われた通りに素直に歯磨きするのもどうかと思う。
そんなに素直に、疑いもなく指示通りに従っていると、常識を疑うことはしないし、詐欺を見抜けないだろうし、つまり自力で考えて行動する人間には育たない。
まあしかし、2歳児も大人も同じか。歯磨きという単純なものでないだけで、その構図は同じなんだよね。
・やりたいことをやれる行動力
・やりたくないことはやらない反骨心
・やりたくないけどやったほうがいいからやる判断力
この三つは大人になってもなかなか得られないもので、大人であれば性格が固まってしまい改善する柔軟さもなくなるから難しい。
2歳で柔軟なうちにこの三つの分別がつけられるようにと思ってるけどね。
そりゃ、わたしだって夜、歯磨きをさせることに苦労するより、歯磨きなんてやらせないで「さあ、寝ようねー」ってやるほうが楽だし、本人も嬉しいだろうけどさ。
それじゃいけないから歯磨きを誘導しなくちゃいけないわけで、ただそうやって歯が健康でいたならば大人になってから感謝されると思うよ。
日焼け止めだって嫌がるときも塗っているのも、そうしてよかったとわかるのは大人になってからなんだよね。