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今までで一番美しかった経験はなんですか?

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結月です。

人はいいことより悪いことのほうをよく憶えている。テレビのニュースを見ても喜ばしいものより犯罪や事故といった内容が多い。

個人だって自分が苦労したとか、不幸があったかを過去の身の上話をしたがる。

ともかく、ネガティブなほうがエネルギーは強い。人生、そんな悪いものなはずじゃないのにね。

それでも嬉しかったことなんかは比較的簡単に思い出せるんじゃないかな。

例えば、受験に合格したとか、好きな人と初キスしたとかね。

でもさ、美しかった経験って訊かれるとどうだろう? 答えに窮するひとは多いかも。

美しさって、意外とノーマークで、それを意識して生活してるひとって少ないんじゃない?

わたしはね、美しさの感動はずっと新鮮なまま、死ぬまで消えないものだと思っているんです。だって自分がそうだから。

そうだなぁ。パリに初めて行ったときのセーヌ川から見えた黄昏は美しかったなぁ。あれは忘れられない。

それからそのパリでサン=ジェルマン・デプレ教会で聴いたモーツァルトのレクイエム。あれも強烈な経験だった。

着物の仕事を始めようとしたとき、丸紅が開催していた展示会でたくさんの京友禅を初めて見たとき。あまりの美しさに仰天したよ。こんなの、本当に着るんだ!ってね。だってみんなユニクロとかなのに、ド派手な古典柄に金箔なんか貼ってるし。すごい色彩で、その美しさにびっくりした。

美しさに関してはたくさんの経験がある。そうやって生きていたからなんだろうな。

芸術作品など人間が創作した美しさはもうかなり見たから、あまり興味はなくなってる。

一方で今までシカトしていた自然美には興味が出ていて、それは初めて奥日光に行ってから。

中禅寺湖の水なんてそこで溺死したいくらい美しいし、戦場ヶ原もたまらない。

山登りを始めて、そこから見える山々の絶景は芸術は勝てないと思う。

そう言えば、先日黄昏時に愛娘の保育園までクルマで走ったときの風景。それは夕刻と夜のグラデーションだったけれど、大変美しかった。葉を落とした木々の枝が硬い毛細血管のように寒々しくシルエットになっていた。

実は美しさって至る所にある。きっとそれは人間の嬉しさよりも、生きてて嫌なことよりもたくさんあるはず。なのにみんな見てないだけなんだよね。

悪いものばかり見て、嫌なことばかり気にして、不幸ばかりを拡大してる。

美しさは金にはならないし、その感動が生活に役立つこともない。でもさ、それがあるかないかで、人間の生きる意味に大きく違いが出るんじゃないかな。

視点さえ変えれば見えてくるもの。

もっと美しい経験を得たいよね。

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