結月でございます。
わたしという人間にとって最も苦手なものは事務作業であり、これほどおもしろくないものがこの世になぜ存在するのかとその根源を疑ってしまう。
しかしながら、この世はそういった事務作業が大好きという人もいて、そうやってこの世は役割分担がされている。
そんな鬼門たる年に一度の決算作業もようやく資料をまとめ終わり、毎年劣等生のわたしに悩まされているに違いない会計士の元に発送。
それを会計士が税務署に提出する書類としてまとめてくれるのだが、わたしの資料でわからないところを、
「これは何のものですか?」
など質問事項が羅列されたメールを出してくる。
わたしはそれに対してまるで先生に怒られる直立不動の体勢でメールを返信する。
書類として明確にする作業にすぎないので別に怒られているわけでないけれど、そうしたものが苦手なわたしにとっては詰問されているようで借りてきた猫のようになるのである。
しかし、毎度どうして金を払って怒られる気分になり、税金を払わにゃならんのだと理不尽を感じつつも、それはわたしが事務作業が苦手な出来損ないだからで、きっとこういうのが得意な人は人に頼まず自分で会計ソフトを使ってサラッと仕上げてしまうのでしょう。
さて。
栃木の結美堂は一戸建てだから寒い。日本の家がこんなに寒いものだとは知らなかったマンション人のわたし。
猫たちは押入れの布団をすっかり寝床にしてしまって、でも昼間はよく陽が入るから気持ち良さそうに日向ぼっこをしている。
とはいえ、保育園に送迎した朝、室内気温が3℃であり、東京では着物型の寝間着だったのが、ペンキ塗り作業に使ったウィンドブレーカータイプのジャージみたいなものを着ていて、アイデンティティに反したことをやっている。
東京では美しい訪問着を着て過ごしていたのにペンキだらけのジャージってどうよって思うけれど、今の土地では仕方がないかな。
と、そんな生活をしていると猛烈に美への渇望が出てきて、着物イベントを考えたくなる。
と、会計処理もとりあえず終わったので、明日からは春のキモノ会の準備を始めないとヤバい。ちゃんと告知もしてないし。でもすでに7人くらいは参加は決まってるのかな。
というわけで、引越しの片付けも完了はしていないからそれも継続しつつ、明日からは仕事を始めなきゃ!
とはいえ、保育園の送り迎えがあり、朝から2歳児にご飯を作って食べさせ、服を着替えさせ、保育園に送る。夕方にはお迎えに行き、晩御飯を作る。
そんな今朝、保育園の駐車場でクルマのフロントガラスを拭いていた。
わたしはクルマのガラスが汚れているのが勘弁ならなくて、それは安全のためでもあるから視界を遮るようなものはないようにしたい。
砂埃で曇っていたリアガラスなどを雑巾で落とし、クルマ用ガラスマイペットを吹きかけ、タオルで拭くと、
「ゲッ!ガラスが猫の毛だらけになってしまってんだけど!」
乾拭き用はきれいなタオルにしているはず。ということは部屋に置いておいたときに猫たちがそれを座布団にしていたということか。
と、どーでもいいようなことが起きてしまい、もう一枚のタオルで拭き直す。
しかし、猫といい、2歳児といい、可愛らしいものがやらかした面倒は可愛げがあっていい。
一方、大人で面倒な女だけはパスしたいって思うのは、やっぱ可愛くないんだよね、面倒な女って。
なんて思いつつ、面倒が一切ない出来過ぎた女よりも面倒な女のほうがおもしろいってこともあるわけで。
これって自動車ジャーナリストの徳大寺有恒さんが昨今のクルマが壊れなくなって、
「壊れないジャグァーなんてジャグァーじゃない!」
って言ってたのと同じかな? 壊れてやれやれって修理するのが楽しいのだとか。
そう、徳大寺さんはイギリスのジャガーのことをジャグァーって言ってたんだよね。
わたしはクルマは絶対に壊れないのがいいと思うけど、人間は出来すぎると可愛げがないものなんだよね。