結月です。
帯といえば、西陣織を扱うことがほとんどなのですが、染め帯もあります。
文字通り、西陣織は織った帯で、染め帯は友禅で染めた帯ですね。
お太鼓柄なので、太ったひとにはオススメしません。帯が足りなくて、柄がちゃんと出ないと思うので。スレンダー向きです。
お太鼓柄の帯はどうしても絵柄の位置が決まってしまうので、その調整範囲を超える胴回りだとどうしても絵がうまく出ません。このあたりのことは言いにくいけどお客様にちゃんと言わないと使えない物を販売してしまうので、お伝えするようにしています。
でも、この染め帯、もちろんプリントなんかじゃないからね。手挿し友禅です。使えるひとには使ってほしいな。
西陣織に比べて何が違うかというと、まずは質感ですね。染め帯は着物の反物と同じような生地に芯を入れて仕立てますが、それでも織り込んだ西陣織に比べると薄くて軽いです。
ですから、締め心地はキュッと体にフィットする感じ。
帯が柔らかい分、よく締まるので、締めすぎると本当に苦しくなるので要注意ですよ。
あとはコーディネートも肝心です。
帯がすでに友禅染なので、選び方を間違うと帯が着物に埋もれてしまいますから。
でも、染め帯はそれらしい上品さがあっていいですね。がっちりとした西陣織とはまた違って、柔らかい雰囲気が魅力的なのです。
これらはどちらがいいというのではなく、作る工程が異なりますから別物です。それぞれの魅力を汲み取って、着こなすのがいいのではないでしょうか。
西陣織よりも作られる数が少ないです。
なぜなら、西陣織は同じ柄を何本も一気に作ります。そう出ないとコストが合わないからです。
西陣織は現在、ほとんどが機械織りで手機でやっているところは少ないです。
しかし染め帯は、友禅の着物を染め上げるのとまったく同じことをしなければならないので、大変手間がかかります。そのため、市場に出回る数も西陣織よりも少ないのでしょう。
ですから、染め帯をしていると、
「あっ、染め帯だ」
って思うときがありますね。
そういう意味でもちょっと希少価値はありそうです。
ともかく、染め帯は生地が薄いので、帯締めを締めるときは注意しましょう。力づくで締めていると、生地が傷みやすいです。
そして、帯締めを最後に収めるときなどは爪を気をつけないと、ビリっといきますよ。メイルなんかやってちゃ、危ないです。
かといって、帯締めが緩いのは駄目ですが、優しく締め上げるって感じで帯締めをしてみてください。