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命がけでないと、つまらんでしょ。

結月です。

先週のリサイタルが終わると三連休が待ち構えていて、愛娘の学校が休みになるためわたしは6歳児と終日一緒にいることになる。その間、仕事は停滞するのであるが、来週までに仕上げなければならない書類、そして企画書があって誠に忙しいのである。

時間的には圧縮できればそれほど時間はかからないに違いないが、毎日2往復100km、合計4時間の送迎があるため、運転中のため実務には取りかかれない。

であるからして、この時間は頭の中で企画を考えたり、それをどう進めればいいか、あとはやるべきことをまとめたりしている。そう考えれば時間が無駄になっているわけでもない。

とまあ、制約があったほうが実は人間は真面目になるものと認識しているので、仮に送迎の4時間がなければもっと仕事が進むかといえばそうでもない気がする。

と、そんな中、今日は猫を健康診断に連れて行く。愛娘を学校に送って、往復2時間で戻ってきたら動物病院に予約を入れて順番待ち。

うちには3匹の猫がいるから、まずは2匹。

どの猫も10歳を超えてきたので、年に2回は健康診断をしているのである。健康診断の重要性は我が身をもって理解しているので、それを猫にも適応している。

とはいえ、人間の健康診断は保険適応で安いものだが、猫は1匹あたり14,000円ほどかかり、それでもキャンペン期間中で普段より安い。これが3匹だからなかなかの出費である。だが、可愛がっている猫たちのことだから、金のことはどうでもいい。

ジェネオケのことを話すと、メンバーがほぼ決まり、あと2席が決まればコンプリートである。

前回に引き続いて強力なメンバーが揃っていて、この破壊力はメガトン級。このメンバーでチャイコフスキーをやるのだから、来年の5月6日は歴史的な公演になるに違いない。

どこのプロオケよりもダイナミックで、新鮮で、ジジ臭くないサウンドを出す。ジェネオケは国内最高とわたしは自負していて、それは創設者として、プロデューサーとして当然の気持ちで、自分がまず国内最高と思えなければその気持ちはお客さんに伝わらない。わたしはコンマス佐久間聡一をトップとしてメンバー全員のことを愛しているし、みんなならものすごいことをやってくれると確信している。

でも、それは独り善がりではなく、5月6日にサントリーホールで聴いてもらえれば、納得してもらえると思う。

というわけで、今月中にはチケット発売開始を準備していて、SS席以上の「特SS席」を設け、プレミアムなものとして販売しようと考えている。

おそらく限定20席くらいで、場所としては通常、VIP席として販売されないエリア。大事な招待客のために使うような席だが、今回は販売予定。

公演までちょうど半年となり、当初より準備がやや遅れているのは、「当初」には想定していなかった企画案件などいろいろなものが出てくるから、それを処理していると遅れてくる。しかしながら、そうした案件もボツになりながらも取り組んでいると、ジェネオケが目指す方向性が明確になってくる。案件があるからこそ必死に考えるからである。それがなければもっとボヤけたものになっていたに違いない。

本当に人間はストレスがないと頭は冴えないもので、自由な時間がたっぷりとあるとダラけてしまっていいものはできない。

映画なんかもそうで、予算をたっぷりと取れた映画は駄作が多い。逆に予算がキツキツの中で頭をひねって必死になった映画に名作がある。

というわけで、ジェネオケ・サントリー公演も満席を目指さないとわたしが借金生活という緊張感の中で進めている。だからこの公演は大勝負だし、それに見合ったプログラム、そしてメンバーで挑むのである。

思えばこれまでたくさんギリギリの最前線にいたが、その厳しさのおかげでジェネオケまで来れたとも考えられる。

だから、人間は常にギリギリの挑戦をするのがよろしく、それを避けると人間は停滞するのではなく、落ちていく。衰退していく。

坂口安吾は言った。

「あちらこちら命がけ」

命がけは実践を伴うもので、口だけでは命がけになれない。

わたしには今、命がけになれるものがある。

これはとても幸福なことなのである。

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