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運動会が憂鬱な人

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結月です。

体力がなく、運動神経ゼロで、極端なまでの運動音痴なわたしは小さい頃から運動会や体育の授業が大嫌いだった。

体育の授業は大学に行けば解放されるのだと思っていたら、最初の2年は一般教養としてなぜか「体育」があった。今は国立大学は教養部が解体されてしまったから体育はないかもしれないけれど、わたしの頃はまだあった。

教養部解体には反対だったとはいえ、専門の勉強を進める大学で体育があったのは今も納得していない。文学部でも数学が必修だったのは理解できる。でも体育はさすがに要らんだろう。

というわけで、体育の授業をずっと忌み嫌っていたわたしがそれから解放されたのは大学の3年になってからで、それはもう心底からうれしかった。

体育が嫌なのだから、体育祭なるものも大嫌いで、それが近くなると憂鬱極まりなく、そのための練習などがあるとメンヘラになる。

ああいうみんなが揃って同じことをしたり、興味もない種目を運動神経ゼロ状態でやらなければならないのはまさしくブラック企業さながらであり、いち早く廃止すべきだと思っている。

さて、そんな運動会も遠い過去の記憶になり、自分には縁のないものになっていると油断していたら、愛娘が通う保育園で運動会があるのだという。

愛娘が日焼けするからやめてほしいと思いつつ、運動会は他人事のように思っていて、保育園の先生に、

「わたしは来なきゃいけないの?」

と、訊くと、

「親子参加の種目があります」

とのこと。

ゲッ!勝手に決めんじゃねーよ! そういうことは本人に参加意思があるか事前に訊けよ! わたしは強制ってものが大嫌いなんだ!

と、思いながら、

「めんどくせー」

と、保育園の先生に言ったら、

「そんなこと言わないで、シャンシャンちゃんも一生懸命練習してるので来てください!」

と言われた。

「だってさー 運動靴も持ってないし、ジャージとかも持ってないし」

と、わたし。

とにかく、そんな練習をしているとは知らなかったけれど、先日、運動会に水筒が要るというので買いに行くと、その広い店内で愛娘は、

「よ〜い!すたーと!」

と言いながら店の中をダッシュするから、なるほど練習しているらしい。

ともかく親子参加の種目があって親がいないのでは気の毒だからわたしも運動会に行かねばならない。

そして先日、運動会の案内が来て、それを見ると2歳児クラスがやるのは、

・開会式

・体操

・かけっこ

・サーキット

・動物変身リレー

とある。

この最後の動物変身リレーが親子でやるものらしく、説明を読むと動物の絵が描かれたカードを引き、そのカードにある動物と同じお面を頭につけて子供をおんぶして走るらしい。

これを読んでめまいがした。思いっきりアタシのキャラに合ってねーじゃん!

あのさ、動物のお面をつけてこのアタシが走れつーの!? 文化系で、着物美を仕事にして、クラシック音楽をやって、根っからのインドア派で基本引きこもりのアタシがそれをやる!?

おいおい、勘弁してくれよ。そういうの、苦手なんだよ。運動会は個人の自由な決定ができないから嫌いなんだよ。全体主義はやめてほしい。

学校を卒業して随分になるのにまさか運動会の憂鬱に苛まれるとは思わなかった。

しかし、2歳の愛娘に、

「シャンシャン、運動会、好き?」

と尋ねると、

「うんどうかい、すき〜」

という返事が。

マジ!あんた、アタシを裏切る気? 

愛娘はわたしと同じくインドア派だと思っていたら、自分の血を引いた人間とは思えない答えが返ってきた。

「ねえ、なんかさ、動物のお面つけて走らなきゃいけないみたいよ」

と言うと、

「シャンシャン、パパと走りた〜い!」

と、期待と異なる答えが!

ああ、これで運動会には出なくちゃいけないな。本人が楽しみにしているんだったらしょーがない。

でも、わたしはジャージなんか持ってないし、わざわざこのためには買わない。ジャージなんて着るの、嫌だもん。運動靴だって買うかよ。どうせ大した距離じゃないんだろうから、いつもの服で、革靴で行くよ。

あーイヤだ。超絶イヤだ。アタシは運動会で親が来て、子供と一緒にはしゃいでいるとか、あの雰囲気、超イヤなんだわ。耐えられん。

アタシはアダルトなの! アダルトな路線で生きてるの!

運動会なんか行くんだったら、家で本読んどきたい。猫と一緒に寝たい。静かに瞑想でもしていたい。一人で山登りたい。

それに運動会に行っても、他の親ととりわけ話すこともないし、気まずいじゃんかよ。アタシはほんと、他人のことには興味ないから。

でもさ、不思議なんだけど、アタシは他の園児の名前なんてほとんど知らないのに、迎えに行ったときに一緒になるママさんたちってなぜかうちの娘の名前は知ってるし、アタシのことも知ってんだよね。超不思議。

わたしはマジで興味ないから、他の子のこと。

幸い2歳児の種目は午前11時くらいには終了するらしく、終わったら帰っていいらしい。

さて、そんな憂鬱極まりない運動会だけれど、2歳のうちの子が開会式で整列している姿やかけっこする様子は見てみたいなぁとも思ってる。

だって、この間まで赤ちゃんで、初めて二本脚で立ったときは感動して、

「立った、立った!」

なんて言っていたのが、今は言葉も話し、意思疎通もできている。

しかし、うちの中のことしか知らないから、保育園という社会でどんな様子なのか、それは見てみたいって思う。

それはわたしが知らない姿であり、表情であり、だからこそジャパネットたかたさながらのデジタルハンディカムで撮影したくなるのであり、ちょっとした喜びであろうかと思う。

きっと今が一番かわいいときでもあるし、それはそれでいいだろう。そのうち、

「運動会には来なくていいよ」

なんて言われる。

でも、わたしとしてはそのほうがいいから、

「アタシだって行きたくないよ」

と答える。

お互いが勝手にできる年頃になれば楽だなと思いながら、今回は運動会へ行ってこよう。

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