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2歳児とマックを食べながら映画観る!

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結月でございます。

映画学校に通っていたのに今ではすっかり映画を観なくなってしまったのは数年前からかな。

音楽もほとんど聴かなくなったし、本もほとんど読まなくなった。

この三つはとことんやって、

「もういいや」

って気になってる。

きっと自分の中でもう卒業と思っていて、それ以上得るものがないというか、感動はしないって気がして、今はそれ以外で経験したことがないものやアウトプットのほうに興味がある。

しかし、映画は子供の頃から好きだったし、フランスにいた時は毎日映画館に通っていたし、たくさん観てきたなって自負はありつつ、最近の作品は全然知らない。

最近の映画がどうも受け付けないのは、演出が説明的で、大げさすぎるから。

映画だけでなくテレビドラマもそうで、昨晩、たまたま一瞬、『いだてん』にチャンネルが合ったら、役所広司が大声で怒鳴っていて、

「これなんだよね。今は絶叫系ばかり。絶叫しないと思いを表現できないのかな」

と、瞬間ウンザリでテレビを消す。

それは役所広司が悪いのではなく、演出が悪い。役者は監督に言われた通りにやってるだけだから。きっとまともな俳優は絶叫系にウンザリしてると思うよ。

さて、そんなわたしは愛娘の保育園が休みの日曜、宇都宮動物園に行こうと思ったけど、やはり暑かったので断念。

その代わり、愛娘が大好きなアンパンマンのDVDをレンタルして、家で観ることにした。

レンタルショップへ行き、会員証を作る。訊くと無料なのだという。

そして半額券もくれて、アンパンマンなどは旧作扱いで、1週間借りても100円。とりあえず3本借りて、半額券を出したら、合計で150円で、

「こんな物価で、ヤバくね?ニッポン」

と、胸でつぶやく。

そんなレンタルショップにはアンパンマンのDVDがたくさんあり、それを見た2歳児は大喜び。

そのままクルマでマクドナルドのドライブスルーでランチを買い、家に戻る。

そして、アンパンマンの劇場版『ゆうれい船をやっつけろ!!』を観始める。

すると2歳児は釘付けになって映画を観ている。マックフライポテトにも手がつかない感じ。そして場面ごとに、

「アンパンマン、きた!」

だとか、

「カバオくんが寝てるよ」

だとか、

「メロンパンナ!」

などなど、興奮気味。そして、

「ロールパンナが真っ黒になっちゃった!」

と言うと手に汗握る表情でじっと画面を見つめている。

その姿を見て、不思議と遺伝ってあるのかな。わたしの映画を観る時の集中ぶりにそっくりじゃん。

わたしはハイボールを飲みつつ、ダブルチーズバーガーを頬張り、愛娘と一緒に、

「しょくぱんまんが落っこちちゃったー!」

なんて言ってる。

映画って、こういう楽しみなんだよね。映画は娯楽。たとえどんなにシリアスな映画でも映画は娯楽。

ジャンクフードを食べながら映画を観るって至福の時だね。

ウディ・アレンの『おいしい生活』という映画で、クソすぎる主人公(ウディ・アレン)が地中を掘って銀行強盗をしようとするが失敗。それを隠すために奥さんにクッキー店をやらせたらこれが大ヒット。そしてフランチャイズ化し大金持ちになる。

奥さんは上流社会に入ろうと必死。しかし主人公はそんな社会が嫌で、今まで通りの庶民的生活をしたい。

そうしているうちに妻との距離が生じ、頭の弱い義理の妹と仲良くなる。奥さんが社交界で高級料理を食べている間に、主人公は義理の妹とアパートでテレビで映画見ながらジャンクフードを食べる。

そんなシーンを思い出してしまって、映画に掛け声しながらジャンクフードってすごくいいよねって思う。

高級料理って料理としては良くできていても、なんか食べるのが面倒だし、会話も破廉恥にできないし、退屈なんだよね。ああいうのは虚栄心の楽しみだと思うよ。

まあ、ああいったサービスが完備されたのも嫌いではないけど、わたしはどちらかというと気軽にジャンクで騒ぐほうが好き。

でもさ、ジャンクで騒ぐって実は人を選ぶ。心を許してない相手だとそうはいかないから。

一方、高級料理って心を許していない相手と食べるものかな、どちらかというと。だから、人間関係としては、ジャンクで騒げるほうがハードルは高いと思うよ。だって、そこまで信頼して、ガードを下げられる関係を築くって簡単じゃないでしょ。

とまあ、そんな感じでアンパンマンの劇場版を愛娘と見て、

「幸福っていうのは、こういうもんだなぁ」

と思う。

さて、「ゆうれい船をやっつけろ!!」は、あれ、スターウォーズだよね。ロールパンナが善の心を奪われてしまってブラックロールパンナになりアンパンマンたちに襲いかかるって、ダースベイダーだよ。

明らかにパロってるわけだけど、まあまあおもしろかった。

そんなブラックロールパンナの映画が終わったとき、愛娘は大泣きした。

涙を溢れさせながら、

「ブラックロールパンナ、こわ〜い!」

「ばいきんまんが、わる〜い! うえ〜ん!」

と、しばらく泣いてしまって、ずっと抱っこしていた。

その泣き顔を見ながら、この子は大丈夫だと思った。ちゃんと感受性がある。映画に没頭できる素直さがある。

そして、夜になってもう一回観るというのでDVDをセット。わたしはジャック・ロンドンの短編集をソファに寝転がって読んでいた。

映画が終わるとやっぱり、

「ブラックロールパンナ、こわ〜い!」

と、大泣きしたのでありました。

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