結月でございます。
アンパンマンが大好きなうちの愛娘。わたしはアンパンマンはどうしてあんなにばいきんまんに辛く当たって、いじめて、ぶっ飛ばすのだろう?と自分が正しいと思う人間の横暴さをアンパンマンに感じているのですが、単純な世界観のほうが子供には受けるものなのでしょう。
というわけで、先日、アンパンマンの映画を栃木県小山にある映画館を観に行った。
東京にいる頃は、映画なんて銀座でもアキバでも上野でもいくらでも観に行ける環境だったけれど、今はクルマで小山か宇都宮まで行かなきゃいけない。
さて、映画となると子供向けのものと言っても映画館でイヤイヤモードで泣き出されたら困るなと心配しつつ、また夏休みの初日だから混んでいてわざわざ小山まで来て座席がなかったらなんていう懸念を抱きつつ、早めに出発。
チケットは難なく買え、上映時間を待つ。
すると、ナナナナント! 劇場内はアタシと愛娘シャンシャンだけやないか!
悠々と最後列に座ってこんなの!
おおぉ〜! 映画専門家としてはこれまでたくさんの映画を劇場で観て来たけど、これは初体験。
子供向けの映画、しかも夏休みでこんな状態って、やっぱ映画はもうなくなるだろうなぁ。ネット配信という形になって、劇場はこれではやってけない。小山だからってことを差し引いても、これじゃ、映画館を経営する意味がないよ。
ともかく、こんな貸切状態でアンパンマンは始まった。愛娘は真剣に観ていて、泣くことは一切なし。
思えば、これが映画館デビューか。というか、この世に映画館がある時代に間に合った。
わたしも小さな頃から京都や大阪で映画館に頻繁に行っていたけど、2歳半だと同じくらいのデビューかな。年齢は覚えちゃいない。もしかすると1歳未満だったかもしれない。
映画は、冒頭でアンパンマンが空の彼方から海面すれすれを飛んで来て登場。そのスピードと海面を切り裂く水しぶきを見て、
「おい!ドラゴンボールかよ!!」
と、笑ってしまった。
しかし、初期のアンパンマンはほのぼのとしたものだったのに、アニメはどんどん過激、大げさになってアンパンマンは強くなりすぎ。
ラストで光り輝くレインボーアンパンマンになってアンパンチをばいきんまんに食らわすのも、
「スーパーサイヤ人かよ!!」
というラストだった。
もともとテレビアニメだから、それを劇場版にすると違和感のあるものになるものだけれど、映画としてはあまりおもしろくなかったかな。
あれだったらDVDを買ったほうが何度も観れてお得だし、そもそも大きなスクリーンで観るべき内容でもないので、なるほど客が来ないのはわかる。きっと前作で劇場版を観た人はそう感じて、リピーターにはならなかっただろう。
アンパンマンのようにキャラが確立されているものって、毎年劇場版をやると惰性になっちゃうんだろうね、作る側が。子供向けだからエッジが立ったものはできない制約はあれども、ちょっと脚本が怠けすぎって気はした。
まあ、アンパンマンだからあの程度でいいと言えばいいんだけどね。
そんな映画でも愛娘と二人っきりの貸切り状態で観られたのは、ちょっとした恋人感覚でよかったよ。
でも、普段も一緒にご飯を食べたり、一緒にアンパンマンを見たり、一緒に寝ていたり、一緒にクルマで出かけたりしているから、いつも恋人みたいなものかな。