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おもてなしで喜ぶ人と喜ばない人

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結月でございます。

トランプ大統領が日本にやって来て、おもてなし外交とか言われているらしい。確かに政治色はあまり感じさせない観光的な感じに見えた。

東京オリンピックのプレゼンで「おもてなし」っていう気持ちの悪い言葉が日本の文化みたいな扱われ方をし始め、でもそれ以前は「おもてなし」なんて言葉はそれほど使われていなかったと思う。

それが日本文化なのか怪しいと思うのは、なぜなら日本人ってすごくケチで、そんなにおもてなしなんてする民族という認識がない。そういうのは茶道の閉鎖的なところでやられるニッチなもので、日本人全般に通じているものとは思えない。

わたしがおもてなしを経験した国は韓国と中国。日本では考えられないほどダイナミックなもてなしを受けて、特に中国のスケールはすごくて、これはもてなされるほうはまだいいとしても、こういう文化は逆にもてなさなければならない立場になったときは、とてつもなく金がかかり、面倒だなと思った。

だから、そんな壮大なおもてなしがあるくらいなら、日本みたいにケチで、冷たくて、ドライな方がよほどいいと思う。

すなわち、旅行へ行ったお土産は会社の部署でもお饅頭が一箱でよく、みんなで一個ずつ食べてよって感じで。

さて、ともかくもケチな日本人のわりに今回のアメリカからの国賓を迎えたイベントはかなりケチに見えないように頑張ったのでは、と思う。

それはアメリカに嫌われたら日本は経済的にもヤバいっていう立場だから、ご機嫌を損ねないようにという配慮もあれば、安倍首相というそんなにケチではないだろう人が迎えたからという気もする。

政治的な好き嫌いや歴史認識などを考慮しないで安倍晋三という人を見ると、おそらく彼はすごくいい奴なんだと思う。ボンボンならではの気前の良さがあって、付き合ってみると悪くは言えない人柄を持ち合わせていると推測する。

メディア関係者に飯を食わせたり、何かしてもらったらちゃんとお返しはするなど、そういうところは自然体でできる人なんじゃないかな。

お友達内閣を作ってしまうのも、そのお返しをちゃんとするという性格から大臣ポストを与えるからで、それゆえに大臣としては能力のない人が選ばれてしまうわけだけれどね。

とまあ、そんな人が大統領を迎えるからああいう感じになり、なんとも属国感が皮肉にも目立ってしまう。

しかし、そういうおもてなしもトランプ大統領には通用しなかったのではないか。

つまり、安倍晋三的、というか日本人的おもてなしをされて喜ぶというのは、立場が上の人からご馳走してもらって喜ぶという精神構造があるからで、メディア関係者、時には芸能人が安倍首相に食事に招待されて喜ぶのは、

「オレ、この間、総理大臣と飯食ってさ」

なんていう自慢が嬉しいからであり、首相はそうすることで自分の敵にならないことをちゃんとわかっている。

つまり、おもてなしをされて喜ぶというのは貧乏根性であり、例えば生まれもってヨーロッパ貴族であるような人は飯を食わせてもらっても喜びはしない。だって飯を食うことに困ったことがないし、正真正銘の金持ちだから。

トランプ大統領も同様で、おもてなしを受けて喜ぶような貧乏人じゃない。生まれは裕福だし、それどころか、貿易などの交渉に来ているわけで、大統領にとっていい返答が得られることが最大に嬉しいのであり、相撲を観させてもらったり、飯を食わせてもらってご機嫌になるような貧乏根性は持ち合わせていない。

それにアメリカは日本より上にいる親分的な国であり、子分からもてなされても感激することはなく、その上下関係は他の国のメディアだってよくわかっている。

かと言って、外国からの客人をもてなさないでいいというわけでないけれど、何かしらの交渉にきていて、さらに相手が親分であり、また貧乏人でない場合は無理なおもてなしはとても惨めに見えてしまう。

そこが安倍首相がいつも相手にしているような貧乏根性があるような相手とは違うところじゃないかな。だってそれらは大企業の社長であっても、もとは地方出身者の田舎者で貧乏だったり、メディア関係者だっていくら有名なテレビ局であっても月給で生きてるサラリーマンだしね。

でも、生まれた時から金持ちのトランプ大統領でも、さすがに天皇陛下には敵わなかった。

それは天皇は神話時代からの日本の根源から来る象徴であり、それはたかだか数百年の歴史しかないアメリカとはレベルが違う。

日本の神性を背負いながら生きている天皇陛下と並べば、裕福だけど実業家上がりの大統領はちょっと惨めで不格好に見えた。

さて、日本のマスコミが天皇皇后両陛下が通訳なしで会話されたということを執拗に報じていたけど、どうも日本人の英語コンプレックスがひどくて情けない気持ちになった。

天皇陛下はイギリスに留学しているし、天皇陛下になることを前もって準備されているし、雅子さまはアメリカで育ち、ハーバード大を卒業して、さらに外務省の超エリート官僚だったわけで英語くらい話せて当たり前。

それなのに通訳なしで英語で話されたなんてことが話題になるってことは、日本では英語が話せることが超絶にすげえことだとされている証明になる。

でも、ヨーロッパの英語圏でない国の大卒であれば、普通に英語くらいは話せるし、それは中国の大卒もそうだし、そもそも海外では大学を卒業していれば英語は話せるのがスタンダードであり、珍しくもない。

ところが日本は大卒でも基本、英語は話せない。

それだけでなく、社会人になってからも英会話教室に通う意識高い系もたくさんいて、英語ができたらなんかカッコいい!みたいなメンタリティで目的もなく英会話に励むところがある。

しかしながら、英語を話せると言っても中学生レベルの日常会話なのか、経済評論を英語でガチでできるレベルなのかは様々であるけれど、国家間での行事が多い立場で雅子さまはようやく超エリートの実力を本領発揮できるからよかったと思う。

それは紛れもなく安倍晋三の英語力とはまるで違うステージにあるだろうしね。

と、それなりにいろいろあったトランプ大統領の訪日だったけれど、安倍首相としてはああせざる得なかったのはわかる。立場的に仕方がない。アメリカには逆らえないしね。

それに庶民にはわからない国家的事情、それは貿易のことでもああやってとりあえず大統領のご機嫌をとっておくことが最も損害がないという判断だと思う。

テレビのコメンテーターは日本としての主張云々と勇ましいことをいうけれど、それができない複雑な事情や立場もあり、ゴルフでもやりながらトップ同士が険悪にならないことが最善というのはわかる。

カッコいいことを言って大統領の機嫌を損ね、経済的に大打撃なことをされても困る。中国はそれを対等に迎え撃つ国力もインテリジェンスもあるからガチンコができるけれど、日本にはそれがないからできないし、やるべきでない。

外交的成果はなくとも、とりあえずの打撃を回避して誤魔化せているだけでも御の字じゃないかな。

まあ、なんとも情けなくは思えるけど、それが日本だし、そういうのが嫌なら自分がアメリカや中国で仕事して勝負すればいいし、どーでもいいっちゃ、どーでもいいんだけどね。

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