結月です。
M-1のことが話題になってるみたいです。わたしはM-1を見てないんですが、審査員の上沼恵美子のことを悪く言った芸人が批判されているとか。
う〜ん、酔っ払ったときのSNSはデンジャラス。
あとは酔っ払ってなくても夜ね。夜はろくなことを考えないので、できるだけ夜はSNSにアクセスしないほうが身のためです。
しかし、酔っ払って愚痴ると楽しんだよね! どうしてあんなに楽しくて盛り上がっちゃうんだろう?
それは日本人の気質と社会にあると思う。
日本人ってはっきりとものを言わないほうが無難な文化の中にいる。それゆえに言えないストレスが日々、溜まっていくという社会。
そこに酒が燃料になって爆発するわけ。
ところでわたしはずっとブログでこうしてくだらないことを書いているけれど、それは言いたいことが言える場で、それをしているがために多分、そんなに鬱憤は溜まってない日々を過ごしています。
もし、この場がなかったら結構イラついた人間かもしれない。
でも、言わないほうがいいことって世の中にはたくさんあって、その辺はわざわざ言って自爆する馬鹿らしさに気づき始めたから、昔のように言いたいことは全部言っちゃうみたいな荒っぽさは自分に少なくなってきたかなって思う、これでもね。
言いたいことを言うときはユーモアが大事。
トゲのあることっておもしろいけど、破壊力も強すぎる。だからそれをユーモアに転換させて「表現」するのがいい。
とにかく、溜まりに溜まったものをストレートにぶつけるって最終手段だから。どうしてもここははっきりさせとかないと駄目だっていう最後の最後。
言わないほうがいいを積み重ねて、それでも駄目なときの手段だね。
ただ、それは酒の勢いを借りると、いくらまともなことを言っても説得力がない。素面でやんなきゃね。
と、上沼恵美子を批判することがまともなことというわけじゃなくて。
芸能の審査って難しいしね。M-1じゃないけど、音楽コンクールとかはひどいんじゃないかな。今はだいぶ改善されたとは思うけど、どの先生に習っているかが大事で、その先生が審査員だとか、コネと癒着で決まるとかね。
音楽だけじゃないけど、お金を積むとかもあるし、一方的な偏愛もあるしね。
文学賞なんかも売り上げ第一で、基本、売れそうな作家、売れる作家に賞を与えるというのは業務的には当然まかり通っているだろうし。ただ最終選考の作家たちは真面目に選んでるけどね。その前段階で作り上げられたものってあるよね。
広告のコンクールとか、一般公募はしていても基本的に電通社員が受賞するとか、事前のお約束みたいなものもある。
いやいや、M-1はそういうことはやってないです。間違いなく。
上沼恵美子って実力者だし、実績もあるからそのひとのすごさを知っていれば批判はできないなって思っていたら、ダウンタウンの松本人志がこんなこと言ってたみたい。
好き嫌いで審査されたって言ったほうが、好き嫌いで批判しているってことでもあるかもしれない。
でも、人間ってそんなもんだし、テンション上がった状態で酔っ払ったらああなるのも仕方がないから、そんなに目くじら立てることもないとは思うけど。
そんなことより、松っちゃんのこの言葉のほうが「だよね」って共感した。
プロが見てるという緊張感の中でエンターテインメントってすごく向上していくので。一般の人に向けての笑いばっかりやってると、絶対クオリティーは下がって行くと思うんですよね
素人ばかりを相手にしても上手くならないのは漫才だけではなく、あらゆることがそうだと思う。インフルエンサーの書く文章が駄文ばかりっていうのもその理由かな。
確か『指揮者の役割』って本にも書いてあったと思う。
この本はとてもおもしろいので、クラシックが好きな人にはオススメ。
で、ここにアマチュアオーケストラを指揮する人は絶対に一流にはなれないって感じの記述があり、それはアマチュアのプレーヤーは自分の言うことを聞いてくれるからで、ところがプロ奏者は自分の指揮に対して注文や問いかけが凄まじい。だからそれに応えるために指揮者は必死に考えるから一流になっていく、というもの。
プロ奏者は奏者ひとりひとりが世界を持っているから、納得しないと弾かないし、
「どうしてそういう指示になるんですか?」
って、問いかけが来る。
いい加減なこと、底が浅い返答をしたら一気に馬鹿にされるから指揮者は相手を説得させられるほどの勉強が必要になるわけ。
ところがアマチュアは問いかけてくる力量がないし、ない人を教えるのが指揮者の仕事になるから、現在の自分を向上させることができない。素人なんて、すごい世界観を持ってないし、実力がないからアマチュアなわけであってね。
そしたらこんな記事も見つけた。
トヨタのヴィッツが初代はすばらしかったのに売れすぎた結果、それだけたくさんの顧客の声を聞くようになって没個性になったという内容。
お客さんの声は商品開発にはとても重要だけど、迎合しすぎると八方美人になって個性がなくなり、逆にいいものが作れなくなるというジレンマ。
デザイン界では言われていることは、
「クライアントの声は聞くな」
そうでないと、デザインに素人のクライアントの声に合わせようとするとだんだんエッジがなくなり、わけわかんないものになってしまい、主張あるデザインができなくなるから。
なので、ある程度の批判もスルーするくらいの図太さがないといいものはできないよ。
そういう意味では騒動の後、上沼恵美子が、
「二人のことには興味がない」
と言ったのはやっぱりすごいんだなって思う。ベストの対応だと思う。
だって、そんなの気にしたらやってらんないもん。同じ土俵に乗っかっちゃうと自分もレベルが下がるから。
だから顧客ニーズを調査するとかは素人にアンケートを取るのはいいけれど、仕事の内容で相手にするのはプロがよく、そういう厳しさがないと成長しないんですよね。