結月でございます。
2015年くらいかな、一度心霊のことから離れようと思ってそうしたのは。それは嫌で離れたのではなくて、離れてもっと現実的な俗世のことをやらないといけないって思ったから。
心霊のことは想念界の話なので、物質的な俗世とは異なる。実はそれらはコインの裏表のように一体となっているのではあるけれど、そのどちらかだけというのは良くない。
もともと文化や芸術のほうばかりだったので、物質的俗世は疎いというか、関心があまりなかった。でも、それじゃいけないって思ったのが2015年だった。
ちょうど本格的なコンサートブロデュースを始めたときで、コンサートを成功させるには物質的な力が必要で、心霊なんかやっている場合でなくなったし、そんなことに時間をかけていられなかったことも大きい。
おかげでその翌年のサントリーホールでの公演は大成功したし、それが今年の船橋でのコンサートにもつながった。
心霊を離れてまず会いに行ったのが、ホリエモン、つまり堀江貴文さんだった。
堀江さんは徹底的に現実的な人だし、物質的な人で、プログラマーならではの合理性を持っていて、それまでわたしが興味を持ったり関わってきた世界とはまったく異なる種類の人で、著作などは事前に読んでいてわかっちゃいたけど、会ってみると本当にあのまんまで素敵な人だった。
ライブドア事件のマスコミの報じ方のせいで堀江さんに悪いイメージを持っている人は今も多いようだけれど、堀江さんはサービス精神が旺盛で、愛情豊かで、優しくて、とてつもなく正直で微塵たりとも嘘はつかず、実は面倒見がいいということを伝えておきたい。
堀江さんに会ったときくらいからわたしはそのプログラマー的思考を自分にイントールした。それは今までの自分にまったくなかったものだし、心霊や芸術的な生き方では現実生活が行き詰まってくると思ったからだった。
想念界のことは突出していても、それを支える現実的な足腰を鍛えなければならないことを思った。それはコンサートプロデュースに求められるものだし、いくら理想的なことを言っても現実を支えられないと自滅してしまう。
あとはその頃心霊相談をしていて、いろいろと相談に乗ったりしたけれど、そうした心霊的なアドバイスはいくら親身になっても相談者の多くは現世利益や自分のエゴ的な幸せしか考えていなかったし、甘えた他力本願で、まるで占いの一種かのような興味本位の認識しかなかったから、やればやるほどわたしがうんざり感を覚えてしまうようになり、やっても無駄だと思って受付をやめた。
そのうんざり感は堀江貴文さんの考え方をインストールしたおかげで、全て解消した。
もう4年ほど心霊に関することから身を引いていたけれど、その4年の間は心霊のことを考えなくても済んでいた。現実的な合理性と、言わばクールな冷たさみたいなものを取り込んでいたからで、そっちのほうに一生懸命になっていたから。
しかしながら、このところ霊に呼ばれている。
もうそろそろ心霊の世界に戻ってきなさい、と言われている。
4年の間に物質界で現実をきっちりと生きることの大切さと合理性のクールさを学んだから、その留学先から帰ってきなさいと言われている。
柄にも合わない山登りを始めたのも、霊に呼ばれているからだということは最初からわかっている。
昔、師事していた霊能の先生からいつも言われていた。
「あなた、もっと自然に触れなさい。銀座にいて忙しいのはわかるけれど、月に一度でいいから木々の中で過ごしてみなさい」
毎度そのように言われていながら、わたしはその忠告は無視していて、なぜならその頃は自然には興味がなかったし、もともと興味もなかったし、都会が好きだし、そんな呑気に自然に触れるような時間はないと思っていたから。
なぜ自然に触れたほうがいいと先生が言ったその理由はその頃、すでに理解はしていた。理解はしていたけれどやらなかった。やっぱり銀座でやっていくことに毎日テンパっていたから、そんな気になれなかった。
しかし、昨年、銀座をやめて今のところに移転して少しずつ変わり始めた。
そして、10ヶ月目にしてやっと今の土地のモードになってきた気がする。
やはり移転してからも長い銀座生活が尾を引いていて、移植した皮膚が馴染まないように場所は変わってもまだ銀座のときのメンタルが抜けなかった。
最近、やっとそれも抜けきって、山登りのことを考えられるようになった。
今から思えば、銀座のときは、銀座の看板のために生きていたように思う。自分のやりたいこと、自分の仕事のためでなく、銀座のために生きていたんじゃないか。
移転してその自縛がなくなり、随分自由になった。
まだ東京にいる時点で不自由なのかもしれないけれど、銀座のときよりはいい。
2015年頃から心霊を離れたのにちゃんと因縁があって、奥日光へ初めて行ったのは2015年だった。奥日光には強烈に霊的なものを感じて、それを機会に奥日光へはよく行くようになる。自動車免許を取ったのも偶然ではない。
そして男体山の登山につながり、「自然に触れなさい」という忠告に従うことになる。
と、いろいろなことがこの4年間であって、留学先から心霊の世界に戻ろうと思う。
どうしても心霊をやる人は現実的なところが弱い傾向があるけれど、そうであってはならないという厳しい視点も身につけて心霊をやるのはかなり違う。
それでもまだまだ未熟で、心霊の世界は「羊腸の道」と言われるように一足飛びには行かないとはいえ、4年前よりは力をつけたのは確か。
長らく中断していた心霊相談も少しだけ再開しようと思う。
まったく面識のない人までやる時間もやる気もないから、結美堂に来たことがある方や生徒さんだけを限定に少しだけやろう。
でも、自分で生きようとしない人や浅はかな好奇心でスピリチュアルを考えている軽率な人にはやらない。
昔は誰でも受け付けたのがよくなかったと思うから。
ともかく、もう戻ってこいと霊に言われているから戻ることにする。