着物の仕立ては2ヶ月前から考えておく!

結美堂の結月です。

今はMサイズとかLサイズといったすでにできあがったプレタの服がほぼ100%。

なので、服を仕立てるっていう習慣がすっかりなくなっているんですよね。

男性用のスーツだって、生地から選んでしっかりとしたものを仕立ててビジネスをしているひとは少ないです。

さて、着物は反物、もしくは絵羽なので仕立てなければいけません。

プレタ着物もありますが、それらは基本的にポリエステルの安物なので、まともな着物は仕立てです。

あとリサイクル着物もたくさんありますが、あれは単に中古というだけなので、自分の体に合わせて着るという発想でないのでここではお話しません。

着たい!と思っても、着物はすぐにはできない!

プレタの洋服だと、ショーウィンドウで、

「これ、ステキ!」

と思えば、それを買ってすぐに着ることができます。

しかし、着物は仕立てがあるのでそうはいきません。

店にもよりますが、普通は1ヶ月は最低でもかかるのではないでしょうか。それは仕立ての作業そのものに1ヶ月必要という意味ではなく、ひとつひとつを手縫いで和裁士が仕立てるのでたくさんの反物を順に仕立てて行くと、その待ち時間として1ヶ月はかかるだろうなというところです。

着物の仕立ては海外で、多くはベトナムなどで仕立てている業者も多いので、海外となるとそれを船便で反物を送ったり、送り返したりという時間も必要になります。

結美堂は京都で仕立てをお願いしているので、海外ほど輸送に時間はかかりませんが、和裁士も数が少なくなり、そうなると一人当たりが仕事を抱える量が増えるので、結果的に時間がかかるということになります。

ですから、着物は着たい、もしくは着なければならない日程から逆算して2ヶ月ほど前には反物を選んでおかなければなりません。

スピーディーでないからこそ、いいこともある

今はネットで注文してすぐに着るのも普通なので、スピーディーな世の中です。そう考えれば、着れるまで2ヶ月を要するのはなんとも時代に逆行していて、2ヶ月先のことを考える習慣がない今は、仕立てがあるせいで着物が衰退するというのも事実でしょう。

しかしながら、自分の体に合わせて仕立てた着物の着心地の良さは、プレタでは得られない喜びであり、それだけ待ってできあがったものは感動が伴います。

ですから、手間がかかっているという点はスピーディーではないという欠点にもなるし、感動があるという利点にもなるわけです。

長期的に、ゆっくりと、きっちりと!

着物を着るということは、年内の行事を長期的に考え、スピーディーではなくゆっくりと構え、きっちりと決まった日に着られるように生きることかもしれません。

付け焼き刃的に急いで適当なものを用意してとりあえず済ますのではなく、ちゃんとしたものを、予定に合わせて準備ができる、そういう誠実さみたいなものが着物を着るひとを美しくしているのだと思います。

それは「自分」を創り上げていくプロセスであり、プレタを気分で選んで着たり、中古で安く済ますというメンタリティーとはまるで異なるものです。

そこには奥ゆかしさが伴います。反物選びから2ヶ月、もしかするとそれ以上かけて着物を仕上げ、それを身にまとうと、ひととしての奥ゆかしさが漂います。

それがあるからこそ、着物を着たひとは大事に扱われるわけです。

着物はできれば2ヶ月前から考えておく!

そういうわけで、着物を着ようと思って、着物を誂えるのであれば、着る日の2ヶ月前には準備をしておきましょう。

店の立場から言うと、3ヶ月前くらいだと助かるというのが本音です。

染めから入るケースもあれば、仕立ても工房が混み合っていると予定より時間がかかることは珍しくないし、もし着慣れていないなら、事前にお召しになってもらいたいとも思いますので。

そうやって長いスパンで着物は考え、そこに価値があるんだとわかっていただければ、着物ライフもより奥ゆかしいものになってくるでしょう。

 

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